やっぱり差し止まらなかった出光興産の公募増資 創業家に残された方法は?

 7月5日付け「出光興産が公募増資発表 創業家の差し止めに対する裁判所の判断は?」の続きですが、本日(7月18日)に東京地方裁判所創業家の差し止め請求を(予想通り)却下しました。

 東京地方裁判所は「支配権をめぐる争いにおいて出光の経営陣が自らを有利な立場に置くという不当な目的が一応認められる」としたものの「新株発行の主要な目的であるとまでは断定できない」とし、新株発行が「著しく不公正な方法」により行われたものであるとは言えないとの判断を下しました。

 さすがに裁判所も創業家に対しては、その辺の「乗っ取り屋」の請求とは同列に扱わなかったようですが、それでも資金需要を前面に出すと新株発行は差し止まらないものです。

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意外に「本音」が出ているイエレン議長の議会証言

 FRBのイエレン議長は昨日(7月12日)、米下院の金融サービス委員会で証言しました。これはハンフリー・ホーキンス法で定められた年2回の議会証言で、本日(7月13日)は上院の銀行委員会でも同じように行われます。

 またイエレン議長のFRB議長としての任期は2018年2月3日までで、再任されないとすれば今回は最後の議会証言となります。再任の可能性は依然として「ほとんどない」と思われ、イエレン議長本人も今回が最後であることを意識した発言も多かったようです。

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中国国有企業9割不正 反腐敗へ異例の公表

 表題は本日(7月12日)付け日本経済新聞朝刊1面トップの見出しです。

 日本経済新聞社まで、本年秋に迫った中国共産党大会に向けて勢力拡大を図る習近平の「プロパガンダ」を請け負ったのかと思うような記事ですが、要は日本の会計検査院に当たる中国審計署が最近公表した中国国有企業大手20社への調査結果で、その9割にあたる18社で不正計上が発覚したというものです。

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やっと問題になりそうな山本幸三・地方創生担当大臣の捜査介入

 山本幸三・地方創生担当大臣が2012年5月頃、証券取引等監視委員会の幹部を議員会館に呼びつけ、知人のインサイダー取引事件に関して「人権を軽視した違法な捜査だ」など捜査介入ともとれる発言を行っていたと複数のメディアが報じています。

 これは山本大臣の管掌でもある国家戦略特区における加計学園獣医学部の新設認可を巡る報道の中で出てきたはずですが、実はこの捜査介入の方がはるかに悪質な大問題となります。

 この捜査介入については2016年9月3日付け「あきれるほど悪質な山本幸三・地方創生大臣の捜査介入」で取り上げていますが、そこで危惧した通り全く問題とはなりませんでした。今回、加計学園の関連で「せっかく」再浮上してきたので、改めてその悪質さと問題の大きさを解説しておきます。

 2016年8月3日に地方創生担当大臣に任命された山本幸三衆議院議員(当選7回)が、2012年3月5日の衆議院予算委員会において、捜査中のインサイダー事件の被疑者である知人を擁護し、証券取引等監視委員会の捜査方法に問題があるとあからさまな捜査介入を行っていました。

 さらに今回の報道によると、山本大臣はその2か月後の2012年5月にも証券取引等監視委員会の幹部を議員会館に呼びつけ、同じような捜査介入を行っていたことになります。山本大臣ご本人は「そういう事実はない」と否定されていますが、報道では「関係者への取材では」となっており、ここでいう関係者とは一般的に捜査関係者のことを指します。

 このインサイダー事件とは、三井住友銀行からSMBC日興証券に出向していた元幹部(銀行時代の顧客情報漏えいで懲戒解雇)が、金融業者にインサイダー情報を提供していたもので、山本大臣の知人とはこの元幹部のことです。しかし山本大臣の捜査介入にもかかわらず、この元幹部はその直後の2012年6月25日に金融業者とともに逮捕されています。

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