ECBの金融緩和と日本銀行の無策

 先々週の7月5日にECBが0.25%の利下げを行ったのですが、それより重要なことは中央銀行への預金金利を0.25%からゼロとしたことです。

 一方、我が日本銀行は先週7月12日の政策決定会合を「ホンの微調整」だけで終わらせ、最も期待されていた日銀当座預金金利の引き下げ(あるいは撤廃)を、わざわざ解説付きで見送ってしまいました。

 一方、米国も先月のFOMCでは、残存3年以下の国債売却・残存6年以上の国債買い入れの「ツイストオペ」を延長しただけで、追加の量的緩和を見送っています。またFRBへの預金金利は0.25%です。

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週末のユーロ圏首脳の合意について「思うこと」

 ユーロ圏17か国首脳が先週末の6月29日未明(日本時間は同日昼頃)、欧州安定メカニズム(ESM)を活用した域内銀行への資本の直接注入や、南欧国債の購入などについて合意しました。

 直前まで合意には懐疑的な見方が多かったため市場は大きく反応し、開いていた東京市場でも日経平均が132円高の9006円となり、ユーロも98.50円程度から海外市場の101円台まで上昇しました。

 同日の欧州株式市場は軒並み4%以上の上昇となり、NY株式も277ドル高の12880ドルとなりました。

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IMFの内政干渉・財務官僚の思惑

 本日(6月12日)IMF国際通貨基金)が、毎年実施している「対日4条協議」による日本経済に対する報告書を公表しました。

 内容は「消費増税を盛り込んだ社会保障・税一体改革の成立は不可欠で、消費税率は最低15%への引き上げが望ましい」「日本銀行へは資産買い入れの増額を含む一段の金融緩和策を求める」などとなっています。

 為替市場については「円の現在の水準は過大評価」として、為替介入についても「秩序を欠いた動きに歯止めをかけることは出来る」と一定の理解を示しました。

 これを受けて本日の為替市場では円がドルとユーロに対して「やや円安」となり、大幅下落していた日経平均も「やや下げ幅を縮小」しました。

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尖閣諸島を巡る問題の本質

 4月17日に石原東京都知事がワシントンで突然「尖閣諸島を東京都が買う」と発言したため、各社の報道が活発になっていますが、どうも本質を外した議論が多いようなので整理してみます。

 当然こういう問題については、本誌の理解が不足していたり考え方が偏っていたりすると思いますので、どしどしコメントを頂きたいと思います。

 尖閣諸島については1971年に、まず中華民国(台湾)(注)、次いで中華人民共和国が領有権を主張し始めました。その理由はもちろん尖閣諸島近海に豊富な石油資源の埋蔵が確認されたからです。

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思い切った金融緩和がやはり必要

 本年に入ってから好調が続いていた世界の株式市場が変調をきたしています。特に日本の株式市場では、2月の僅か10兆円の通貨量的緩和が世界中から「過大評価」されて急上昇していたのですが、先週末(4月6日終値)には10000円を大きく割り込んで9688円となり、同じように円安が進んでいた為替市場でもドルが3月中旬の84円台から81.60円、ユーロも同じころの111円台から106.90円と、かなり「過大評価」が剥げてきました。

 ユーロ圏では今度はスペインの財政赤字問題が深刻化しそうなことが、米国では4月3日に発表された前回のFOMCの議事録で追加緩和の可能性が遠のいたこともあるのですが、実際は雇用情勢が回復せず本格的な景気回復が程遠いことが、それぞれの変調の理由です。

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