セイクレスト破産申請の真相(号外版)

 本日、ジャスダック上場のセイクレスト(コード8900)が破産申請をしました。

 4月28日付けの手形が決済できなかったための申請と発表されています。

 セイクレストは昨年、和歌山県の土地を現物出資して約20億円の増資をしたり、株主割当増資で約4億円を調達したのですが、それぞれ問題のある増資でした。

 本誌、平成22年11月5日付け「株式市場のルールは公正か? その2」、平成22年12月16日付け「セイクレストの不思議な増資」で書いてありますので、あわせて読んでみてください。

 今後、多分証券取引等監視委員会などの調査が入り、こういった増資も調べられて、またまた株式市場は「怪しい輩が跋扈するところ」と結論付けられると思います。

 確かに、増資は問題があったのですが、特に昨年末の株主割当増資も曲がりなりにも4億円強の資金が入っていることは確かです。

 この破産の真相は、この資金をそっくり持ち出していたブローカーがいるということです。このブローカーは増資に関して何の役割も果たしていません。

 つまり。確かに問題のあった増資でも、一応4億円強の資金をセイクレストに入れるのに貢献したブローカーと、資金を持ち出して破産に追い込み株主の価値をゼロにしたブローカーが全く違うということなのです。

 資金を持ち出したブローカーは、なぜかセイクレストの手形帳、小切手帳を持ち出して、勝手に資金を引き出して使ってしまったのです。その金額は2億円をくだらないようです。大方、「資金を作ってあげる」とか「いいビジネスを紹介する」などといって持ち出した手形、小切手を勝手に資金化して、その決済が回ってきたのだと思います。

 そのブローカーは、丸石自転車の時も、増資で調達した数十億円の資金を勝手に持ち出したのですが、なぜか全くお咎めがなかった鹿児島県出身のKというブローカーです。

 丸石自転車の時も、当局はその2年も前のわずか1億円の架空増資だけ立件し、当時とその前の社長を逮捕しただけだったのです。つまり、株式市場の増資にかかわる犯罪と無理やり決め付けてしまったわけで、本当に私腹を肥やしたK(そのときは他にもいましたが、やはりKが首謀者でした)は、増資そのものにかかわっていなかったため(つまり資調達に全く貢献せず、単に勝手に使っただけなので)お咎めなしでした。

 セイクレストについても、問題のある増資をしているため、これも近い将来、株式市場の増資にかかわる犯罪、と位置づけられる可能性が強いのですが、本質は丸石自転車と一緒で、全く増資にかかわらず(セイクレストの資金調達に全く貢献せず)、資金を盗んだだけのブローカーがいたから破産してしまったのです。

 そして、このブローカーは増資にかかわっていなかったという理由だけで、今回もお咎めなしになってしまう可能性が強いのです。

 当局が、あまりにも増資にかかわるところのみに注目して摘発しようとするため、本質を見逃してしまうということが、今回も起こりそうなのです。