まだある株式市場のとんでもない話

 3日ほど真面目な記事を書きましたので、今日はちょっと違った趣の話です。

 低位株やサハダイヤモンドの話ではないのですが、何故かサハダイヤモンドも後で出てきます。

 本誌では何度も、株式市場は「怪しい輩が跋扈(ばっこ)しているところ」と思い込まされているために、いつまでたっても株式市場を利用した経済発展が出来ない弊害を書いてきました。

 しかし、同時に「怪しい輩が跋扈している」例も具体的に書いてきました。

(平成22年11月2日付け 「株式市場のルールは公正か? その1」、11月5日付け 「株式市場のルールは公正か? その2」、11月9日付け「株式市場のルールは公正か? その3」など)

 本日は、その「怪しい輩」の話なのですが、最近もちょくちょく聞く話なので書くことにしました。

 平成19年11月に、インデックス(4835)の保有していたはずの学研(9470)の500万株が知らないうちに売却されていたことが、平成20年4月になって発覚しました。

 インデックスとしては、この学研株を貸株に出していたところ返却されなかった、と発表したのですが、実際のところは、時価17億円していた学研株を担保に9億円を調達したところ、あっという間に売却されたわけです。

 インデックスと学研株を担保に資金を出した会社の間は融資契約だったのですが、その会社と本当に資金を出した会社との間は譲渡契約になっており、しかもその間に複数のブローカーが介在していたようです。

 この事件の巧妙なところは、インデックスは融資の担保だと信じているので、掛け目が50%程度でもあまり気にしません。ところが、これをすぐに市場で売却すれば、少なくとも70~80%の資金が回収できるので、まさに瞬間的に巨額の利益が挙げられるのです。

 当然、インデックスが当初融資契約を結んだ会社もグルで、とっくに連絡がつかなくなっているのです。

 これがこのタイプの事件の最初で、その後インデックスは、その株券の回収を請け負ったと主張する輩に逆に恐喝されて事件になったという「おまけ」までついたのですが、結局泣き寝入りになりました。

 次いで平成20年3月に、ジャレコ(現EMCOM ホールルディングス。7954)の大株主の2100万株が、やはり同じ手口で売却されました。

 こちらの方は大量保有報告書が出ているので、最終的に資金を出した会社の関係者が2100万株を21円で買い(その日の株価は42円)、翌日に27円以上で売却していることが分かります。

 次いで平成20年6月に、サハダイヤモンド(9898))保有の田崎真珠(7968)400万株が、やはり同様の手口で売却されました。

 実はこれら3件は全て、実際に資金を出して株券を買い取ってすぐに売却した会社Kと、大阪のブローカーHが仕組んだ確信犯なのです。いろんなブローカーが話を拾ってくるのですが、結局このKとHのところに全て集約されるのです。

 一時、警察も随分捜査したようですが、結局もともと保有していた会社(インデックス等)と、売却した会社Kとの間に直接契約が無いため立件できず、放置したままになっています。

 サハダイヤモンド保有の田崎真珠400万株については、サハダイヤモンド側と(融資に見せかけて)買い取って売却した会社Kの双方から大量報告が出ており、読み比べるといろんなことが分かります。

 まず、サハダイヤモンド田崎真珠400万株強のコストが25億円だったことと、それをわざわざ沖縄の会社(全くのダミーです)から借りたのが僅か8億円(最初、担保に入れた旨の大量報告が、あとで売却に訂正されています)で、これを会社Kが買い取った金額が8億5400万円であることが分かります。この5400万円は、有象無象の仲介ブローカーが山分けしたのでしょう。

 そして会社Kは、途中まで3割程度の売却益を出して売却していることが分かります。(保有が5%を切った以降は報告していませんので、全株をいくらで売却したかは分かりません)

 これらは氷山の一角で、もっと数多くの株券が同様に売却されており、仕切っている顔ぶれは全く同じで、しかも最近もちらほら聞く話なのです。

 現在は、株券が電子化され物理的に存在しないため、証券口座で株券を事前に資金の出し手に移す必要があり、一般的に株券を担保にした金融が難しくなっています。

 従って、ますますこの同じ顔ぶれによる、同じ手口が出やすくなっているのです。

 ご用心。