次期首相の資質  その2

 前回の続きです。

 民主党の次期代表候補(つまり次期首相候補)に、政策よりもまず、日本人として首相としての基本観を確かめるためにぜひ聞いてみたい点の2つ目です。それは、

 靖国神社に参拝するか?

 これは単に右翼的な発想ではなく、国家としての日本の尊厳にかかわる問題だからです。

 靖国神社には、幕末以降日本のために殉じた人々の英霊が祀られているところであり、日本人として参拝することはごく当然のことであり、歴代の首相も終戦記念日にごく自然に参拝していたものでした。

 問題が複雑化していくのが、1985年に時の中曽根首相が閣僚としての「靖国公式参拝」を閣議決定したまではよかったのですが、中国が不快感を示すと途端に腰砕けになり、結局参拝はしたものの正式の参拝方法とは著しくかけ離れた礼節を欠くものだったようです。

 中国の不快感とは、1978年に、いわゆるA級戦犯とされ処刑された7名と、拘禁中獄死した7名の計14名が靖国神社に合祀(ごうし)されていたからなのですが、これを受け入れて公式参拝を実質的に取りやめた中曽根首相(当時)は、その後現在まで続く「日本は侵略国家」を中国に認めてしまったことになるのです。

 靖国参拝問題の最大のポイントは、ここにあるのです。

 つまり、「極東軍事裁判」は勝者が敗者を一方的に裁いた公正な裁判ではなく、日本は「侵略国家」ではなく、「A級戦犯」は戦争犯罪人ではなく、もちろんBC級戦犯も戦争犯罪人ではない、と世界に公言する機会を自ら放棄してしまったのです。

 驚くべきことは、そのあとの大半の首相が、靖国参拝は「中国を刺激するから控えるべき」と堂々と発言し、大手マスコミも完全に迎合しているのです。

 この驚くべき論理を決定づけたのが、1985年11月8日の衆議院外務委員会で社会党党首・土井たか子氏の「ポツダム宣言を受け入れた日本は、その10項にいう戦争犯罪者を処罰するために積極的に極東軍事裁判を受け入れた。平和に対する罪で裁かれたものは戦争犯罪者であって戦没者ではなく、戦没者でもない戦争犯罪人が祀られていることは、アジアの目から見て奇異に映る」との発言です。

 この土井発言や前述の「村山発言」など、日本社会党は一体どこの国の党なのか?と思うのですが、しかし事実は、その後の歴代首相で在任中に参拝したのは、橋本竜太郎が1回で、毎年参拝したのは小泉純一郎だけなのです。そのあとの安倍晋太郎は参拝したともしなかったと明らかにしませんでした。

 そして民主党政権になってからは、首相はおろか、昨年今年と一人の閣僚も参拝していないのです。

 靖国参拝は、国家として日本の尊厳にかかわる問題であり、これをこそこそ避けて通る政治家は、首相としての資質が無いのです。

 首相が率先して「日本は侵略国家」のレッテルを剥がしに行かなければならないのです。そうでなければ、いつまでも中国や韓国に増長されるのです。

 この点について、民主党代表候補の中で唯一肯定的に発言しているは野田財務大臣なのですが、野田氏自身も参拝していません。有言実行が出来ない政治家も首相の資質が無いのです。

 確かに別のレベルの問題で、憲法20条の政教分離の問題はあり、実際いくつかの裁判が起こされているようですが、違憲という判断も出ていないようです。

 最後にA級戦犯合祀について、是非付け加えておきたいことがあります。

 2006年7月20日に日本経済新聞が一面トップで「昭和天皇 A級戦犯合祀に不快感」として、元宮内庁長官富田朝彦氏のメモの一部を公開し、その中で昭和天皇A級戦犯靖国神社合祀に強い不快感を示されていた、と報道しました。

 しかし、これは昭和天皇の日頃のお考えをうかがい知る限りあり得なく、壮大な「でっちあげ記事」可能性があります。だとすると、誰が何の目的で「でっちあげた」のでしょうか?

 そう思う理由はいくつもあります。その一つは、昭和天皇のお言葉に「だから私あれ以来参拝していない」というのがあるのですが、天皇は「参拝する」とは言いません。「親拝する」のはずです。

 

 今週は、あまり金融市場も急変しなかったため、マーケットに関係ない話題ばかりになってしまいました。ただ、終戦記念日に際し、どうしても書いておきたかったことが多かったのでご了承ください。

 今週全般、及び来週のマーケットに関しては、今週土曜日昼ころまでにメルマガに書きます。