MLB(Major League Baseball・大リーグ野球)について

 ユーロの行方も気になるのですが、今週は硬い内容ばかりだったので、ちょっと息抜きの話題にしたいと思います。

 米国時間の9月28日に、MLB(大リーグ野球)のレギュラーシーズンが終了しました。

 大リーグ野球はアメリカン・リーグナショナル・リーグの2リーグ制で、それぞれ3地区に分かれて計30球団あります。

 それぞれのリーグの各地区の優勝チームと、2位の最高勝率のチーム(ワイルドカード)の計8球団が、息をつく暇もなく今週中に地区シリーズ、プレーオフ、ワールドシリーズと続くポストシーズンゲームに突入し、約1か月後にワールドチャンピオンが決定します。

 大リーグ野球は高収益産業なのです。

 各球団は収支を公表していないのですが、推計で大リーグ30球団合計の売り上げが60億ドル(4500億円)、利益が4億5000万ドル(340億円)くらいだと思われます。

 因みに、売り上げの60%が人件費だと言われているため、要するに選手に支払っている年俸合計が2700億円もあるのです(最近のドル安でかなり目減りしているのですが)。

 なぜ大リーグ野球は、これだけの人件費を支払って、さらに利益を計上できるのでしょうか? 赤字続きの日本のプロ野球と何が違うのでしょうか?

 大きく分けて2つの理由があります。

 最初の理由は、単純に「面白く見せる」工夫がされていることです。

 まず、年間162試合も戦うのですが引き分けがありません。決着がつくまでやります。だから引き分け狙いなどという発想もなく、真剣勝負が続きます。

 今シーズンも、両リーグともワイルドカードポストシーズンに進むチームの決定が、最終日までもつれ込みました。

 それから、新人ドラフトは完全に下位球団から指名していきます。つまり最下位の球団(正確には、ワールドシリーズで負けた方のリーグの最下位球団)は、必ずいの一番に指名ができるのです。

 日本のドラフトのように談合の場でなく、公明正大に行われます。また、ドラフトの指名順位そのものがトレードの対象になることもあります。

 従って、弱いチームには必ず優秀な新人が指名され、何年かすると強くなって戦力が均衡化してくるのです。

 ほかにもいろんな工夫があるのですが、日本のプロ野球でも、少なくともこの2点だけ導入すれば、かなり面白くなるはずです。

 大リーグ野球が儲かるもう1つの理由は、これも単純ですが「儲かる」工夫がされていることです。もっと正確に言いますと「全体が儲かり、公平に分配される」工夫がされているのです。

 各球団の収入は、チケット収入、球場内のグッズ売り上げ、テレビ等の放映権収入、広告収入などがあるのですが、このうち各球団に直接入るのはチケット収入と球場内のグッズ販売だけです。

 そのほかの放映権料や広告料などは、大リーク機構が全体としてテレビ会社などと交渉し、収入を各球団に分配します。

 テレビ会社は、大リーグの放映権全体を入札するので、落札値段が巨額(1年分で1000億円以上)となり、大リーグ全体が潤うのです。

 日本の場合は、各球団が別個に放送局と交渉するので、値引き競争になり大した金額にならないのです(もっとも面白くないことが最大の理由なのですが)。

 それ以外にも、ニューヨークやロサンゼルスなどの大都市の球団と、地方都市の球団では、やはり収入額が違います。そこで、その不公平を平準化する補償制度も各種あります。

 要するに、「面白く見せる」工夫と、全体として「儲かる」を工夫という、極めて当たり前の努力をしているだけなのです。

 日本のプロ野球は「面白く見せない」工夫と、全体として「儲からないような」工夫をしているとしか思えないのです。

 少なくとも、プロ野球コミッショナーに官僚の天下りを就任させることと、各球団の代表に親会社からの素人が就任することをやめるだけで、だいぶ違うと思うのです。