オリンパス決算発表・見落としていた重大事実  その2

 そろそろオリンパスは卒業しようと思っているのですが、昨日(12月15日)付け「オリンパス決算発表・見落としていた重大事実  その1」で、今までずっと「上場維持」と断定的に書いていたのに対してやや違ったニュアンスを書いたところ「今までの見通しが甘かっただけだ」とのご意見を頂きました。

 本誌に対するご意見なのかどうかがやや不明なのですが、確かに昨日の記事をもう一度読み返しますと非常に「舌足らず」ですので、この点に絞ってもう一度だけ書きます。

 まず、本誌で「上場維持」の予想を最初に書いたのが11月14日付け「オリンパスの株価はどうなる?  その1」でした。

 その最大の根拠は、オリンパス事件は海外からの報道で発覚したもので、捜査当局や証券取引等監視員会や東京証券取引所金融庁などなどいわゆる「当局」としては、今さら「手柄」に出来ず、「勢力争いの武器」に使えず、下手をすると「見落としていた責任」だけが追及される「全く厄介な事件」で、出来るだけ「素早く」「穏便」に済ませてしまいたいはずで、「当局」の一員である東京証券取引所もわざわざ「上場廃止」にして新たに「株主の損失」を拡大して「責任問題」にされたくないはずだと思ったからです。

 まあ「当局」にとっては、「株主」が「怪しい株式市場」で「怪しい会社に投資して」その結果「損失」が出ても一向に不都合はないのですが、何しろ海外から言われて初めて気がついた事件であわてて「上場廃止」にして、問題を大きくしたくないだけなのです。

 東京証券取引所にとっては、投資家の利益が最優先課題ではないのです。これも本誌でいやと言うほど書いているのですが、8月22日付け「株式市場の中国問題  その1」と、8月24日付け「株式市場の中国問題  その2」だけでも読んでみて下さい。

 従って東京証券取引所は、独自に策定している「上場廃止規定」を都合よく「解釈」して「上場維持」とするはずだと思っていました。

 基本的には、今もそう思っています。

 同じ理由で、捜査当局による刑事責任の追及も、仮にあるとしても最小限にとどめるだろうと思っています。

 それでは12月14日の決算発表を見て何が心配になったのかということですが、思った以上にオリンパスの財務内容が「劣化」していたことです。

 本業では依然として(減少しているとはいえ)利益を上げているものの、純資産が(多額の無形固定資産や投資勘定を含む)固定資産の10%強にまで減少しており、いままでのオリンパスと監査法人の「関係」からして固定資産が相当「水膨れ」になっているはずなのです。

 要するに「実質債務超過」かも知れないのです。

 正直、この点だけは見落としていました。しかし、それで東京証券取引所が「上場廃止」にする可能性が高まったと思ったのではありません。

 第三者委員会の調査報告書を受けて、ようやく「当局」の主体が「旧大蔵官僚」で、「銀行」の協力を得てオリンパスを「最終処理」するということが想像できるようになったのですが、ここで「実質債務超過」だったとすると何が変わるのでしょうか?

 まず銀行には「融資残高維持」「追加支援」、そして多分「債務の一部減免」まで要請する必要が遠からず出てきます。

 資本増強(要するに増資)するにしても、普通の第三者割当増資などは海外株主の猛反対を受けるので簡単に認めるわけにはいかず、最終的には「公的資金」による支援まで考えておく必要が出てきたのです。

 こうなってくると、当局としては立場上「刑事責任」や「株主の責任」などを持ち出さざるを得なくなるのです。

 「株主の責任」を問うと言っても、それがすぐに「上場廃止」を意味するということではありません。なぜならば、東京証券取引所としては「株主の利益」とか「会社ぐるみで悪質かどうか」などはどうでもよく、自らの(上場を維持させるかどうかの)判断が、近い将来の「当局の総意」を阻害しないかどうかだけが重大関心事なのです。

 ここで失敗すると、合併する「日本証券取引所」の初代社長を「旧・大蔵官僚」に召し上げられてしまうかもしれないのです。

 昨日の記事の「東京証券取引所の上場維持の判断に重大な影響が出てくることになります」というのは、こういう意味なのです。

 だから当面は、ますます勝手に「上場廃止」に出来なくなっているのです。

 本日は、来年3月くらいまでの「ユーロ」と「ドル」の相場予想について書くつもりだったのですが、土曜日の昼頃にメルマガで配信します。まだ登録されていない方は登録しておいて下さい。無料ですよ。

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