日本の財政について考える  その4

 昨日「日本の財政について考える  その3」を書いたところ、たくさんのコメントを頂戴しましたので、本日もその幾つかを反映させて続けることにします。

 まず日本国債の格付けは(正確に言うと国債格付けと政府格付けは違うのですが、混同して使うことにします)、先日ユーロ圏9か国の格下げを行った米国S&Pが昨年1月にAAマイナス(アウトルックは同年4月に「ネガティブ」)に、同じく米国Moody’sが昨年8月にAa3(アウトルック「安定的」)にそれぞれ格下げしています。

 両社ともかなり硬直的(要するに単純で機械的な)な格付け基準を採用しているため、日本国債の更なる格下げは十分考えられます。先日S&Pが、日本よりはるかに財政赤字の少ないスペインをAに格下げしているため、この辺まで下がると思います。

 本来は政府首脳や財務官僚が、日本国債について「将来にわたって国内資金だけで賄える」と内外に強調すべきなのですが、逆に増税のために「ギリシャ並み」と自ら公言しており「早く格下げしてくれ」と言っているようなものなのです。

 まあ、あまり関係ないと言えば関係ないのですが、やはり「国策」に反する行動です。

 そういえば、日本にも格付投資情報センター(R&I)という格付け機関があるのですが、昨年末に日本国債の格付けを最上格のAAAからAA+に1段階引き下げています。これも増税のためのアシストかもしれません。

 ついでに言えば、最近テレビや新聞に出てくる「専門家」のコメントもすべて「はやく増税しないと日本は大変なことになる」的なものばかりです。まあ、そう言わないと出してもらえないのでしょう。

 しかし、日本国債は格下げされても流通利回りは低下を続けます。これは格下げの悪影響が株式市場や実体経済の方に強く出るため、かえって国債に資金が集まるからです。

 次に、いくら国債の消化に問題がないと言っても際限なく国債を発行し続ければいずれ破綻してしまうのでは、というご指摘も頂いています。

 結論だけ言いますと、その通りです。

 「何だ、結局そうか」と言われると思いますが、それは日本国全体の資産(資金)がこれ以上国債に回せなくなるほど減少するか(あるいは国債残高が膨らむか)、設備投資や株式市場や海外投資に資産(資金)が大量に振り向けられて国債にこれ以上回せない(あるいは売却しなければならない)事態に陥った時です。

 この点だけを先に書いておきますと、少なくとも現時点では2708兆円の資産があり900兆円くらいの国債残高ではびくともせず、設備投資や株式市場や海外投資は、経験的には金融機関の信用創造機能が回復して景気実感が改善しないと進まないため(だから円高と株安が続いている)、これも急に激増することはありません。

 つまり、そうなる前に十分時間はあるのです。

 しかしそうなる前に(さらに増税をする前に)絶対やっておかなければならないことがたくさんあります。

 まず、中央政府と地方公共団体(外郭団体を含む)の合理化なのですが、もちろん官僚の利権の温床なので簡単ではなく、野田首相は「政治生命をかける」場所を間違っているため期待できません。

 ここはまず業務の民間移譲から取り掛かるべきです。

 一例を挙げますと、先日の大学入試センター試験では数々のミスがあったのですが、これを独占的に扱っているのは「独立行政法人大学入試センター」です。

 考えてみれば1年のうち実働が2日で、準備期間を入れても2か月くらいしかいらないはずのところに、お決まりの天下り役員と100人を超える専業人員を抱え、年間2.5億円の補助金を得ているのです。そもそも受験料が1万8000円で55万人も受験するので、収入が100億円もあるのに何に使っているかも良く分からず、100億円の土地も所有しているらしいです。(以上、1月18日付け日刊ゲンダイより)。

 これこそ大手予備校に入札で委託すれば(情報漏洩対策は必要なもの)大幅なコスト削減と質の向上が見込まれるはずです。

 これも、たまたま数多くのミスが出てニュースになったので気が付いたのですが、すぐにうやむやになってしまいます。しかしこんな例がいっぱいあるはずなのです。

 長くなりますので、具体的にどうするかなどは次回にします。でも明日はとりあえず別の話題にするかも知れません。