クロニクルのIRと「ある事件」

 本日はコメントを頂いていたソフトバンクのイー・アクセス株売却について書く予定だったのですが、「気になる」ことが出てきましたので変更しました。

 先週末(1月25日)にクロニクル(JASDAQ上場、コード9822)が、「第三者調査委員会設置のお知らせ」とのIRを出しました。

 内容は極めて簡単に書かれているのですが、要するに過去の決算について、一部の会計処理を巡って、過去に提出した有価証券報告書等の訂正を要する可能性が判明し、客観的かつ専門的見地からの提言が必要と判断したため、利害関係を有さない第三者委員会の設置を決議したというものです。

 IRには書かれていないのですが、少なくとも数年以上前からの資産の評価に関するもののはずです。有価証券報告書等の訂正は別に珍しいことではないのですが、それが「悪質」なものであったり、途中で2期連続債務超過であったりすると上場廃止となります。

 さらにこの第三者調査委員会の報告が出て、過去に提出した有価証券報告書等の訂正をしてからでないと、2012年12月末の決算短信が出せないため、認められている1カ月の遅延を入れても3月中旬までにすべてを完了させる必要があります。そこで決算短信を出せないと上場廃止になります。

 まだ第三者調査委員会の顔ぶれが決まっておらず、ここ数年で監査法人が2回も交代しているため、実際問題としてはかなり厳しいスケジュールとなります。

 本紙は、以前にこの段階でオリンパスの上場維持を予想したのですが、本件はかなり厳しいと言わざるを得ません。何よりもJASDAQとしても「蓋をしたい」銘柄のはずだからです。

 全く話が変わるのですが、数日前からニュースで「スイス在住の金融関係者の夫婦の行方が分からなくなり、事件に巻き込まれた可能性がある」と報道されています。

 名前が報道されていないのでS氏としますが、スイスでファンド管理などをしている人物です。

 そしてそのファンドとは、2011年12月に発行されたクロニクルの新株予約権の一部を引き受け、さらに昨年その未行使分の大半を譲渡されていたファンドであり、それ以前も2007年頃にクロニクルの新株を引き受けています。

 ここまでだったら「全くの偶然で、何の関係も無い」となるのですが、1990年代からのクロニクルの歴史のなかには、そうとも思えない複雑な事情が隠れているのです。

 本紙はいつも「あらゆる事件も、報道が出るまで書かない」ことにしています。単なる暴露誌になってしまうからです。

 本件は、そういう意味ではIRと「事件の報道」が出ているのですが、かといって「どこまでが明らかにされるのか」が分からず、「どこまでを書いて良いのか」が分からないのです。

 多分、「クロニクルの粉飾決算」と「全く無関係の失踪事件」で終わってしまうような気がします。

 しかしこの2つの関連だけではなく、クロニクルの過去の事件(1998年)や、最近の事件(2011年)などを、出来るだけ客観的に書くことにします。結論的なことは何もありません。