為替と株の相場見通しを微修正

 本日は日銀政策決定会合があったのですが、予定通りの変更なしでした。ただ景気判断は、前回までの「弱めに推移している」が「下げ止まりつつある」に上方修正されています。

 発表を受けて、最近0.1%を大きく割り込んでいた残存年数3年未満の国債利回りがやや上昇したので、(資産買入等の基金の残高拡大など)の追加金融緩和を「期待」していた人もいたのかもしれません。

 その景気ですが、昨年10~12月期のGDPが発表され、予想外の3期連続のマイナス成長でした。

 10~12月期は、前期比で実質マイナス0.1%(年率マイナス0.4%)、名目マイナス0.4%(年率マイナス1.8%)でした。かなり意外なマイナス数字だったのですが、不思議に悲観的なコメントや市場の反応はありませんでした。

 また2012年暦年では、実質がプラス1.8%、名目がプラス1.1%でした。

 3期連続マイナスだったのに通年でプラスとなっているのは、一時的に円安・株高が進んだ1~3月期が実質1.5%、名目1.4%のプラスだったからです。まさに「下げ止まりつつある」だけのような気がします。

 10~12月期の数字の中でも気になるところがあります。この間で円安が進行したのが11月中旬からですが、財・サービスの輸出が実質でマイナス3.7%、名目でマイナス0.3%、それに対して輸入が実質でマイナス2.3%、名目でプラス3.0%だということです。

 直感的に見て交易条件が「さらに」悪化しています。輸入の名目値の伸びが輸出の名目値の伸びを大きく上回っているからです。

 これと別に資産買入等の基金にも、気になる兆候があります。

 少し前に発表されていたのですが、本年1月末の資産買入等の基金(以下、「基金」)残高が67兆4114億円で、前年12月末の67兆834億円から3280億円しか増えていません。

 基金の残高目標は本年6月末に85.5兆円、本年12月末に101兆円となっています。
 
 つまり単純計算で、6月までは月額3兆円、12月までは月額2.5兆円ずつ増やさなければならないのですが、本年1月はその1割強しか増えていないことになります。

 なぜ気にするのかと言いますと、現在の金融緩和は基金残高を目標としています。つまり基金の残高増加が遅れたり、一時的にも減ってしまったりすると「大変な円高要因」となるからです。

 現在の円安は、日銀が積極的な金融緩和を行う、つまり基金残高を積極的に増加させることが最大の根拠になっているからです。

 1月の増加額が少なかった理由は、共通担保資金供給が昨年12月の26兆8954億円から、本年1月は23兆2662億円と、3兆6292億円も減ってしまったからです。

 その理由ははっきりしており、本年1月中旬から残存3年未満の国債利回りが0.1%を大きく割り込み、調達金利が0.1%の共通担保資金供給にこれらの国債を担保に入れて借入れる理由がなくなったからです。

 これは構造的なものであり、今月も減少しているはずです。

 その分、国債などの買入れを増やさなければならないのですが、これも残存3年未満の国債や1年未満の短期国債がすべてなので、この償還分も手当する必要があります。

 まあ、いずれもすぐに悪影響が出るものでもなさそうですが、昨年11月中旬の解散発表から、ほとんど一直線に進んだ円安・株高は「そろそろ踊り場」に近づいているのかも知れません。

 本誌はあまり「安直な」相場予想をしないようにしています。一番最近のものは、昨年10月19日付け「日銀が検討している追加金融緩和の意外な効果」で、(当時は早期の解散や安倍政権の誕生は予想していなかったのですが)、いくつかの理由から円安・株高になると予想しました。

 それ以来となります。ただし上昇相場の次に下落相場がすぐに来るわけではありません。ただ悪材料にも反応するようになるだけです。