不思議なことも多い中国の経済統計

 本日(4月15日)、中国の2013年1~3月実質GDPが前年同期比7.7%増にとどまったと発表されました。これで4期連続の8%割れで、中国経済が足踏み状態だと説明されています。

 7.7%でも大変な高成長だと思うのですが、そもそもあんな広大な中国のGDPが、こんなにも早く集計されることが不思議です。

 人民元の対ドル相場は連日の史上最高値更新となり、本日(4月15日)の終値は1ドル=6.1871人民元となりました。対円でも1人民元=15.80円になります。2012年夏頃は1人民元=12.20円前後でした。

 日本でもそうですが、実質ベースのGDPの成長率だけを見ても実体が分からないので、名目ベースの絶対額で見てみます。

 中国の2012年の名目GDPは52兆2000億元だったと推測されます。これを本日の1人民元=15.80円で換算すると824兆7000億円となり、同じく2012年の名目GDPが475兆7000億円だった日本の1.73倍にもなります。

 同じように米国の2012年の名目GDPは15兆6500億ドルなので、本日の1ドル=6.1871人民元で計算すると中国の2012年の名目GDPは8兆4370億ドルとなり、中国は米国の54%まで追い上げていることになります。

 因みに胡錦濤国家主席に就任した2003年の中国の名目GDPは13兆6000億元だったので、胡錦濤の在任中に中国の名目GDPは3.8倍になったことになります。

 2003年の日本の名目GDPは499兆円だったので、その間に4.8%も減少しています。

 最近の急激な円安の影響もあるのですが、中国と日本のGDPは、あっと言う間に差がついてしまいました。

 また先週4月11日に発表された中国の2013年3月末の外貨準備は3兆4400億ドルと、2012年12月末に比べて1300億ドル増えました。もちろん過去最高額です。

 2013年1~3月の貿易黒字は430億ドルなので、貿易黒字の外に870億ドルの資本流入があったことになります。

 因みに2012年の年間では2300億ドルの貿易黒字で、外貨準備が1300億ドルしか増えていなかったので、差し引き1000億ドルの資本が流出していたことになります。

 それでは2013年になって、なんで再び資本が流入し始めたのでしょう?

 中国の2012年1~2月の輸出額が前年度月比で20%以上増えており、3月も輸出額そのものは10%増ですが香港への輸出が90%以上増えており、明らかにおかしいと思われます。

 これは輸出額を水増しすることにより、投機資金を国内に持ち込んでいるものと思われます。この数字は貿易黒字に紛れ込んでいるのですが、ほかにも何かしらの方法で中国に資金を流入させている可能性があります。

 これは貿易黒字以上のドル売り・人民元買いが発生することになり、最近の人民元相場の上昇とも符号します。中国は貿易以外の資本取引を厳しく規制することにより、投機で人民元相場が上昇することを防いできたのですが、綻び始めているのかも知れません。

 最後に、中国の3月の外貨準備高が3兆4400億ドルと書いたのですが、その7割がドルと言われているので、ドル資産が2兆4000億ドルほどあるはずです。

 ところが中国が保有する米国国債は、米国財務省の発表では1兆1700億ドルと、日本とあまり変わりません。普通ドル債に投資すれば大半が米国債になるはずですが、中国の外貨準備には1兆2000億ドルほどの「米国債以外のドル資産」があることになります。

 いったい何なのでしょう?

 考えれば考えるほど不思議なことが多い、中国の経済統計です。