国会議員の靖国参拝

 本日(4月23日)早朝、春季例大祭の行われている靖国神社に国会議員168名が集団参拝しました。またこれに先立つ4月21日には麻生副総理ら閣僚3名が参拝し、安倍総理も「真榊」を奉納しました。

 いつものように中国・韓国政府は過剰反応し、一斉に「侵略戦争の歴史を否定」とか「急激に右傾化している」などと表明しています。また韓国政府外相会談をキャンセルしてきました。

 今さら書くまでもないのですが、国家に殉じた英霊に対して参拝することは、国会議員だけではなく国民として当然のことであり、他国(中国と韓国)から干渉を受けるべきものではありません。民主党政権時代に比べて例大祭に参拝する国会議員の数が増えたのは、日本が右傾化しているのではなく正常化しているのです。

 しかし相変わらず日本の報道では、中国・韓国の「不快感」を前面に報道し、集団参拝を批判こそしていないものの、国家としての問題の本質をとらえたものがほとんどありません。

 中国・韓国の干渉の根拠は、靖国神社A級戦犯14名(刑死した7名と裁判中・刑期中に病死した7名)が合祀されていることです。中国・韓国だけでなく、日本の政党であるはずの社会党(現・社民党)も過去は盛んに国会で攻撃していました。

 本日は、このA級戦犯合祀についてです。中国・韓国を「不快」にさせないために、A級戦犯分祀すべきなど、恐るべき本末転倒の議論まで出てくるからです。

 まずA級戦犯とは、極東軍事裁判で有罪とされた人々ですが、そこで適用された「平和に対する罪」「人道に対する罪」は事後法であり、そもそも法の不遡及原則に反している「不当」なものです。極東軍事裁判でこれを指摘したのは、唯一国際法が専門のバール判事(インド)だけでした。

 問題は、サンフランシスコ平和条約で吉田茂首相(当時)が、これら軍事裁判(注)を受け入れることが規定されたまま署名してしまっていることです。しかしこれこそ時間をかけてでも「勝者が敗者を裁いた不当な判決であり、修正すべきもの」と後世の政治家が正しく主張していくべきものです。

(注)極東軍事裁判以外に、海外の軍事裁判でBC級戦犯として1000人以上が死刑判決を受けています。つまりこれらすべての裁判結果を受け入れさせられたのです。

 A級戦犯とは当時の日本政府と軍部の中心人物であり、「その職務上の驚くべき軽率・無責任・責任逃れの行動によって日本国民に想像を絶する被害を与えた責任」を負うべき人物が少なからずいます。しかしその存在によって日本国民が海外(特に中国・韓国)から干渉を受け続けている事態に対しては、国家として対処しなければなりません。

 その辺りが「混同」されているのです。

 何事に対しても「公正」に取り上げることにしている本誌としては、A級戦犯の実態を少しだけ明らかにしておきます。

 開戦時に首相だった東条英機(極東軍事裁判で死刑判決)は、凡庸なリーダーとしてよくあることですが、「三奸四愚」などと言われる側近を重用していました。その中では戦犯にも指定されず、年金をもらって平和な老後を送った者も少なからずいます。

 「四愚」の1人とされる木村兵太郎(死刑)などは、終戦間際のビルマ方面軍司令官ですが、イギリス軍のビルマ侵攻を聞いて真っ先に(芸者を連れて)逃げ出しました。現地には兵站を絶たれた多数の日本兵や日本の民間人が取り残され、死の敗走と言われたインパール作戦だけで1万8000人の犠牲者を出しました。

 極東軍事裁判では死刑判決を受けているのですが、これは開戦時に陸軍次長だったので連合軍に対する「平和に対する罪」に問われたもので、ビルマでの行動については起訴すらされていません。つまり多数の日本人犠牲者を出したことは極東軍事裁判にとって「どうでもよいこと」なのです。

 そのインバール作戦を実際に指揮した「愚将」牟田口廉也中将などは、不起訴となり晩年まで見苦しい自己弁護を繰り返していました。

 また機会があれば、他の例もふくめて「たっぷり」書くことにします。