買ってはいけない銘柄

  最近、寄せられるコメントをほとんど無視しているとのご指摘をいただきました。

 毎日違ったテーマで書くようにしているため、いただいたコメントにお応えするタイミングがないうちに時間が経過してしまっていることがあります。今後はできるだけ工夫してお応えしていきますので、コメントもどしどしお寄せください。

  さて本日は11月5日付け「釈然としないウェッジHDに対する巨額賠償金納付命令」へのコメントで(実際は5月28日付けの関連記事に頂いていました)、実質的なオーナーに対する「偽計」なのでウェッジHD(コード2388)や昭和HD(コード5103)の株価に対する影響や、上場廃止の懸念はどうなのか?についてです。

 答えから先に書きますと、今回の「個人の偽計に対する巨額課徴金処分」は、両社の株価への影響は「全く」ありません。

 なぜなら両社とも「調査の対象」でも「処分の対象」でもないからです。もちろん両社とも上場廃止のリスクは「全く」ありません。

 もちろん40億円の課徴金納付命令を受けた此下益司氏と、両社の経営陣は「全く」の一心同体ですが、不思議なことに両社への処分は「全く」行われていません。

 つまり此下氏は、課徴金が40億円でも400億円でも、海外居住を理由に(一時的に逃げているだけですが)1円も支払うつもりなどなく、それによって罰則を受けることもなく、今までどおり一心同体である両社の経営陣を使って「会社資産の搾取」を続けることができるのです。

 此下氏は平成20年6月に約12億円の第三者割当増資を引き受けて昭和HDの経営権を握ったのですが、直後に昭和HDから27億円もの資金を引き出した「レバレッジ架空増資」でした。ところが平成22年に強制捜査に入った証券取引等監視委員会は、なぜか刑事告発を見送り無罪放免とし、挙句の果てに昭和HDの経営陣(もちろん此下氏と一心同体です)から国家賠償請求を求められています。

 今回の此下氏への課徴金処分は、その報復とも考えられるのですが、極めて悪質かつ典型的な犯則であるにもかかわらず刑事告発ではなく、実質的に何の意味もない課徴金処分としてしまいました。

 証券取引等監視委員会には、何か此下氏を刑事告発できない「事情」でもあるのでしょう。そう考えない限り「絶対に」数多くある事例との整合がとれません。

 しかしその証券取引等監視委員会が「全く」無関係と断じてしまったウェッジHDと昭和HDは、逆に今後は当局から目をつけられる恐れが「ますます」なくなります。当局が一度「シロ」としてしまうと、今度は官僚として(別の嫌疑も含めて)なかなか「クロ」とはいえないものです(前の判断が間違っていたことになるからです)。

 ウェッジHDの株価も、此下氏への課徴金納付命令が出た直後は一時20,000円を割り込んだのですが、先週末(11月8日)にはすっかりもとに戻っています。昭和HDの株価も、特に影響を受けていません。

 釈然としないのですが、そのようなものなのです。

 それでは投資家の皆様は、両社への投資判断をどのように考えればよいのでしょう?

 この両社は、今後とも此下氏および此下氏と一心同体の経営陣から「会社資産の搾取」を受け、企業価値を毀損させていくはずです。また今後とも「新たな偽計」で株価上昇が計られるはずですが、実際の企業価値は毀損し続けていくことになります。

 証券取引等監視委員会をはじめとする当局が(意識的かどうかはともかくとして)刑事告発を見送り、実質的に何の意味もない此下氏個人に対する課徴金だけで「取り繕って」しまったウェッジHDと昭和HDの株式は、絶対に「買ってはいけない銘柄」となります。

 かつての井上工業トランスデジタルや、数多くあった中国の「インチキ銘柄」のように「衰弱して突然死」してしまう恐れがあるからです。

 株式市場で当局による公正な浄化作用が機能しない場合は、投資家自身が自衛しなければなりません。つまりいろいろな意味で「買ってはいけない銘柄」を避けることです。

 「ルノーに合法的に食い尽くされて体力がなくなっている」日産自動車もその典型ですが、まだまだ沢山あるので順次取り上げていくことにします。