特定秘密保護法案の衆議院通過に思う

 特定秘密保護法案が昨日(11月26日)、衆議院を「圧倒的多数」で通過しました。

 政府広報のパブリックコメント受付が「密かに」始まったのが9月3日(終了が9月17日)だったので、やはり「事の重大性が十分に認識されないうちに大急ぎで成立させてしまおう」との意図があったはずです。

 このままだと12月6日の会期末までに参議院も「圧倒的多数」で通過し、正式に成立してしまうことになります。

 衆・参両議院で自民・公明が安定多数を維持しているので、最初から「勝負がついている」のですが、昨日の採決ではみんなの党が(どうでもよい修正案をのませたとして)賛成に回り、日本維新の会は(同じくどうでもよい修正案をのませて賛成するものの、議論の時間が短いとの理由で)採決前に退場するなど、全く野党としての役割を果たしていません。

 少なくともみんなの党は「コウモリ」はやめて、本当は与党に入れてほしいと正直にいうべきでしょうね。

 実際にできあがった特定秘密保護法案は、細部にまで「官僚の知恵とテクニックが宿って」いるようです。指定期間が最長60年となったことや、機密文書の破棄を禁じていないことや(注)、指定に際して第三者機関の設置を明言していないことなど、当初伝えられていた内容よりも「いつの間にか大きく後退して」います。

(注)民主党政権時代の「ほとんど唯一の功績」として、作成後30年が経過した外交文書を原則として自動的に公開するようになっていましたが、当然にこれも反故になります。一方で民主党政権時代に機密文書(外交だけではありません)が3万点も官僚によって「密かに破棄されていた」ようなので、要するにザルだったようです。

 また本日(11月27日)、日本版NSC設置法案が参議院を通過し(これには野党から民主、みんな、維新の会が賛成に回っています)正式に成立しました。

 これに集団的自衛権を憲法の拡大解釈で乗り切れば、「亡国の3点セット」が完成してしまいます。米国政府の思惑もあるため、すべてが官僚組織の思惑通りというわけでもないのですが、これが安倍政権を「国民が圧倒的に支持した」結果です。

 いつも思うことは、国民の代表で構成されているはずの国会が、明らかに「民意から大きくかけ離れた法案」をいとも簡単に成立させてしまう不気味さです。しかし(解散がないと思われるため)衆議院選挙は2016年の年末、(半分しか改選されない)参議院選挙も2016年夏までありません。

 つまりあと3年近く「行き過ぎた審判を与えてしまった反省をする機会」がありません。また、それまでに「すっかり」忘れられてしまうのでしょう。

 2007年の第1次安倍政権では、同じように強行採決を連発したのですが、このときは直後に参議院選挙があり自民党が空前の大敗を喫し、間もなく政権を投げ出していました。

 また今回は自民・公明の安定政権を成立させてしまっていたことが問題ですが、昨年の消費増税法案(注)は、当時の与党民主党が安定政権でもなかったなかで「圧倒的多数」で成立してしまいました。

(注)正式には消費税関連法案というのですが、「関連」していたはずの社会保障改革、議員定数是正、特別会計を含む行政の無駄の見直しが「すっかり抜け落ちた増税だけの法案」を「圧倒的多数」で賛成してしまいました。7月31日付け「消費増税実施の前に思い出してほしいこと」に書いてあります。

 改めていうまでもないのですが「国会が機能不全」であり、安定政権ができているときは「もっと機能不全」になるのですが、そうでなくても「やっぱり機能不全」なのです。要するに「常に機能不全」なのです。

 これも改めていうまでもないのですが「国会は官僚組織の意向」を実現させるところなのです。同じように「米国政府の意向」も実現させるのですが、この場合も官僚組織のメリットとなるよう「しっかり」と便乗してしまいます。

 この安倍「超安定」政権の唯一の対抗馬が、脱原発を掲げた小泉「超親米」政権の復活だけというのも、暗澹たる思いにさせられます。

 気を取り直して、いろいろと考えてみることにします。