北朝鮮で何が起こっている?

 本日(12月4日)は、「どう抵抗しても強行採決される特定秘密保護法案」「急落した日経平均」「1日で再び新展開の徳洲会事件」など書くべき話題がたくさんあったのですが、この話題にしました。他の話題も順次取り上げていくようにします。

 北朝鮮No2とされる張成沢チャン・ソンテク)国防副委員長が、すべての役職を解かれて失脚したと韓国の情報機関が昨日伝えました。北朝鮮サイドからの正式発表はありません(あるはずがありません)。

 早速「北朝鮮情勢に詳しい」と称する「専門家」が、いかにもみてきたような解説をしていますが、あまり役に立ちそうもありません。だいたい国交がない北朝鮮の状況が正確に日本に伝えられるはずがありません。

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の独裁体制は、終戦直後にスターリン率いるソ連軍が北緯38度線以北の朝鮮半島を占領して共産主義国家を建設するために、当時33歳の金日成を「抗日パルチザンの英雄」に仕立てて傀儡政権としたところから始まりました。

 もともと金日成とは伝説上の英雄の名前だったのですが、北朝鮮人民の前に現れたのは「何の威厳もない若造」で、大いに失望させられたようです。

 ところがその若造が北朝鮮に独裁国家を建設し、ソ連が消滅した後も権力を維持し続け、あろうことか3代も続く世襲王朝を現在に至るまで維持しているのです。

 世界史上で(大国が建設した)傀儡政権がここまで長続きした例はなく、世界に独裁国家は多いものの独裁者が3代も世襲できた例もないはずです。

 中国共産党政権も、もとはといえば1931年に瑞金(ずいきん)にできたソ連の傀儡政権である中華ソビエト共和国臨時政府(毛沢東主席)です。確かに中国共産党は今も独裁政権ですが、権力が世襲されているわけではありません。

 つまり北朝鮮の金王朝は、世界史上でも特異な存在なのです。その体制を支えているものが何なのか?がよくわからない「不気味なエネルギーを備えた大変に厄介な独裁国」が、日本のすぐそばにいるのです。

 金日成(1994年死去)そして金正日(2011年12月死去)は独裁者であるものの、ある程度の政治センス(狡猾さのことです)を兼ね備えていたようですが、3代目の金正恩はまだ30歳で、祖父と父親の残忍性しか受け継いでいないような気がします。

 このようなときは、必ず金正恩に「うまく取り入った一部側近」による暴走政治が始まります。張成沢の失脚も、その流れのなかで「起こるべくして起こった」出来事なのでしょう。

 いずれにしても北朝鮮は「うまく付き合える国」ではなく、「付き合ってよいことがある国」でもありません。北朝鮮利権などあるはずがないのです。

 そのような例を1つだけご紹介しておきます。

 昨年7月21日の参議院議員選挙で、アントニオ猪木氏が日本維新の会から比例選挙区で出馬し当選しています。

 その猪木議員が当選直後の7月25日に北朝鮮を訪問し、朝鮮戦争休戦60年記念行事に出席し金永南最高人民会議常任委員長と会談しています。この時は参議院選挙で当選していたものの前任者の任期が7月28日まであったため、「民間人」として訪朝したとされていました。

 ところが帰国後(当然に参議院議員になった後)、拉致問題について恐ろしく北朝鮮寄りの発言をしています。「拉致が解決して日本人は幸せになるのか?」などです。

 つまり猪木氏は「北朝鮮の意向を代弁するために参議院選挙に出馬し、日本維新の会に公認されて見事に当選した」のです。日本維新の会は、国交のない北朝鮮の意向を代弁する議員を公認し、見事に当選させたのです。

 猪木議員は11月にも北朝鮮を「国会の承認を得ることなく」訪問し、今回失脚した張成沢とも会談しているようですが、その意図も同じようなものでしょう。

 北朝鮮は、知らないうちに日本の国会に議員を送り込んでいるのです。

 北朝鮮の内政問題である張成沢失脚より、直接日本に関わる「はるかに恐ろしい問題」なのです。