日本マクドナルド問題の本質

 年が明けたあたりから日本マクドナルドHD(JASDAQ上場・コード2702)の店舗では、異物混入の事実が「これでもかこれでもか」と出てきています。もはや単なる偶発的事故で片づけられる段階ではありません。

 本誌は以前から日本マクドナルドHDを、日産自動車ソニーとともに批判の対象としていました。

 その理由は、米国のマクドナルド本社が吸い上げるロイヤリティや株式配当などの各種メリットが、日本人消費者に提供されるサービスや付加価値に「全く釣り合っていない」と以前から感じていたからです。

 マクドナルドの米国本社は日本マクドナルドから売上高の3%のロイヤリティを徴収し(もちろん価格に転嫁されています)、また関連会社を通じて50%の株式を保有して毎年20億円の配当を受け取り、それ以外にも材料供給などの各種メリットを得ています。

 価格設定は大変に強気ですが、味や店頭でのサービスは大変に不十分で、明らかに日本人消費者が軽視されていると以前から感じていました。

 余談ですが、本誌は20年以上前に米国本社に近いシカゴで「おそるおそる」食べたマクドナルドがおいしくてビックリした経験があります。その当時から日本の消費者向けには味の落ちる製品を提供していたことになり、以来日本では口にしたことがありません。

 

 そんな日本マクドナルドの店舗で異物混入だけではなく、明らかに軽視して放置したままだった事実が次々に明るみに出てきました。これはマクドナルドあるいは日本マクドナルドの日本人消費者に対する「基本的な考え方」を見事に表しており、決して急に出てきた現象ではありません。

 日本マクドナルドは1971年に藤田商店社長の藤田田(ふじた・でん)氏が、マクドナルドの日本におけるフランチャイズ権を取得して営業を始めました。

 藤田商店も売上高の1%の経営指導料(年間20億円)を得ており、上場時に60億円の違約金を受け取って関係を解消しています。日本マクドナルドは米国本社以外では世界唯一の上場会社で、当然に藤田田氏は巨額の株式公開益も得たのですが、同氏の死後はすべての持ち株が売却されています。

 その後の原田泳幸CEO時代も含めて、当時は日本人が経営していたのでよかったというつもりもありませんが、2013年8月に本社から派遣されたカナダ人のサラ・カサノバ氏がCEOに就任したことが明らかに「モラルの一層の低下」を招いたはずです。

 本社しかみていない外国人CEOに、(今までも同じだったのですが)日本人消費者を向いた経営などは絶対に不可能だからです。

 2014年7月に上海福喜問題が発覚した時もカサノバCEOは「憤りを感じる」と見当外れの記者会見を行い、完全に責任を転嫁してしまいました。これもカサノバCEOがたまたま口を滑らせたわけではなく、本社ではエリートのカサノバ氏の「本心」です。

 今年になってから相次ぐ異物混入に対する会見も「対応は適切だった」「製造過程での混入は考えられない」など、見事に責任転嫁を続けています。

 だいたいカサノバCEOは海外主張中とのことで会見にも出てきません。地球の裏側にいても丸1日あれば帰国できるので、明らかに問題を軽視しています。もともと日本人消費者などは「出世の踏み台」くらいにしか考えていないカサノバ氏は、たぶん今頃は米国本社で言い訳の行脚中でしょう。

 そして日本マクドナルドの幹部に対しては電話で(もちろん英語ですが)「私の経歴に傷がつくじゃないのっ」「絶対に責任を認めちゃ駄目よっ」「はやく何とかしなさいっ」などと叫んでいるのでしょう。

 外資系企業の女性エリートにはこのようなタイプが多いのです。

 くり返しですが日本マクドナルドが生まれ変わることはありません。厄介なことは米国本社が「どこか」で資本の引き上げを考える恐れがあることです。もうとっくにコストはゼロを大きく下回っているため、とりあえずはまだ340億円ほど(2014年9月末現在)残っている現金で自社株買いを行ってしまう可能性まであります。

 株主の利益は? 

 期待しない方がいいでしょうね。