ブルーボトルコーヒーの日本上陸

 昨日はアップルの記事だったのですが、本日はコーヒー界のアップルといわれるブルーボトルコーヒーの日本1号店についてです。

 とはいっても決してミーハーなグルメ記事ではなく、かなり真面目に書いています。

 本誌は以前から日本マクドナルドを批判しているように、外資系飲食企業が日本の消費者に提供するサービスや付加価値が、割高な料金など日本市場から得ているメリットに全く釣り合っていないと考えています。

 ブルーボトルコーヒーとは2002年にチェロ奏者だった(クラリネット奏者だったとの記事もあります)ジェームス・フリーマン氏が西海岸で始めたコーヒーショップで、品質を重視して1杯1杯入れる手法が特色です。そのため全米でもまだ4都市に16店舗しかありません。

 「コーヒー界のアップル」と呼ばれる理由は、距離的に近いシリコンバレーのグーグルやツイッターなどのIT企業がこぞって出資しているからです。

 昨日の記事には書きませんでしたが、アップルは太陽光発電大手のファーストソーラーがカリフォルニア州に建設する大規模発電所に8億4800万ドル(1000億円)も出資し、その発電量の約半分を向こう25年間「タダで」使うとのニュースが出ていました。

 これよりはかなり規模が小さい話ですが「どうせコーヒーは毎日飲むのだからコーヒーショップに出資して何年かタダで飲もう」と考えたIT企業があったからか、ブルーボトルコーヒーは2012年と2014年に合計4500万ドル(50億円)の資金調達に成功しています。

 

 明らかにチェロ奏者が(クラリネット奏者かもしれませんが)始めた「品質にこだわるコーヒーショップ」とのイメージを前面に出しながら、その後ろには株式公開で巨額利益を目論む綿密に計画された「シリコンバレー錬金術ロードマップ」が描かれていると考えます。

 そんなブルーボトルコーヒーが海外店舗の第1号として日本で選んだ場所は、繁華街でもない東京都江東区の住宅地で倉庫を改造した店舗です。飲食スペースはごくわずかで大部分が焙煎スペースのようです。

 本誌もミーハーではなく実際にビジネスモデルを確認するために早速行ってみようと考えたのですが、2時間半待ちと聞いて諦めました。価格を調べると最も安いものが1杯450円で、500円台が中心となっています。

 現在の円換算でも米国の価格より高いではないか!

 これでは、ゆっくりと飲めるスペースのある喫茶店の価格ではないか!

 日本のブルーボトルコーヒーでは2時間以上待たされた消費者が道端で立って飲んでいるではないか!

 マスコミやネットには紹介や称賛する記事やブログで溢れ返っているではないか!

 これは住宅地を1号店に選んだことも含めて、すべて巨額利益のために綿密に計画されたロードマップに沿っているものです。日本(東京)では矢継ぎ早に青山、代官山に出店するようですが、そもそも最初の海外進出先に日本を選んだこと自体が綿密に計画されたロードマップの重要なピースであるはずです。

 日本では本誌のように考える消費者が大変に少なく、無条件に称賛されて失敗が無く世界的な知名度を向上させ、次の海外展開と巨額資金調達を容易にするはずだからです。

 仮に新規参入を含めた日本企業が全く同じビジネスモデルを始めたとすれば、批判されるだけでしょう。

 本誌はスターバックスタリーズも、もちろん日本マクドナルも利用することはほとんどなく、もっぱらセブンイレブンとローソンの100円コーヒーを愛飲しています(ファミリーマートだけはあまり飲みません)。

 これはケチっているのではなく、価格に比較して大変に高いクォリティである素晴らしいビジネスモデルであると考えるからです。

 たかがコーヒーというなかれ、結構奥深い問題なのです。