銀行規制を17年ぶりに緩和するそうです

 金融庁が銀行規制を17年ぶりに緩和して、銀行が持ち株会社の傘下に置ける事業会社の範囲を拡大するそうです。

 金融庁のいう「銀行業のサービス向上と成長力の強化」に結びつくかどうかはともかくとして、やはり圧倒的な資本力と全国的店舗網と国際的ネットワークを備えたメガバンクが最大の恩恵を受けることになりそうです。

 1998年の金融ビッグバンで、銀行や証券会社などの金融機関が持ち株会社を通じて異なる業種の金融機関を傘下に置くことができるようになりました。現在でもメガバンク傘下には銀行の他に信託銀行、証券会社、投資信託・投信顧問、リース会社、カード会社、信販会社などがありますが、それでも今までは傘下に置ける事業会社には制限がありました。

 今般、その制限を17年ぶりに緩和することになり、特にメガバンクは傘下に置ける事業会社の業種をさらに拡大できることになります。報道では電子商取引スマートフォンを使った決済サービスなどが考えられるようです。

 傘下に置ける「金融機関」とは断っていないため、それこそ携帯電話会社、コンビニ、ゲーム開発会社、コーヒーチェーンなど、一般的に儲かっているとされる業種に「タダみたいな利息で集まる巨額の預金を使って、後出しジャンケン的に」どんどん進出できることにもなります。

 「言いたいこと」が山ほどありますが、とりあえず2つだけのポイントに絞ります。

 

 最初のポイントは、メガバンクに限らず銀行が厳に慎まなければならないことは、預かった預金を過大なリスクに晒すことと、黙って「タダみたいな金利」で預金してくれている預金者の利便性を蔑(ないがしろ)にすることです。

 あれもこれもと「よく理解していない業務」に安直に進出する前に、やるべきことがたくさんあるはずです。

 例えば窓口業務は(一部の例外を除いて)平日の午前9時から午後3時までと、週間で(祝日がない週でも)30時間しか開いていません。1週間は168時間なので、実にその17.8%しか使えません。他行への送金などは午後2時を過ぎれば受け付けない銀行が多く、週間で25時間(14.8%)となります。

 こんな業界は他に(世界でも)ありません。役所でももう少し開いています。

 次のポイントは、銀行に持ち株会社の傘下に置ける事業会社の範囲拡大を認めるなら、同時に異業種からの(限定的な業務に限っても)銀行業務への参入をもっと簡単に認めれば、はるかに預金者に限らず国民の利便性向上に役立ち、同時に収益性の高い銀行業務ができるような気がします。

 例を1つだけ挙げるとセブン&アイ・ホールディングスは、どの銀行も「嫌がっていた」公共料金などの収納業務にセブン銀行を通じて積極的に取り組み(大手銀行にさんざんバカにされたそうです)、今では1店舗当たり平均1日に240万円も収納しているそうです。

 全国に1万7000店舗あるため毎日400億円、仮に10日間滞留するとして最大4000億円もの「タダの資金」が集まってきます。もちろんセブン・イレブンに限らずコンビニは24時間営業、1週間168時間と銀行の5.6倍も営業しているため、大変に便利です。

 今でも異業種による銀行業務進出が全く閉ざされているわけではありませんが、もっとハードルを低くするべきです。

 異業種に限らず同じ金融機関でも、証券会社や保険会社にも持ち株会社化は認められています。しかし銀行持ち株会社傘下に証券会社があることは珍しくありませんが、証券持ち株会社野村ホールディングス大和証券グループ本社の2社しかなく、その傘下に銀行はありません。

 別に17年ぶりに銀行規制を緩和しなくても、現行法の範囲内で証券持ち株会社傘下に銀行を置けるはずです。そうなっていないのは金融庁(旧大蔵省)が頑として認めないからでしょう。

 逆に野村ホールディングスが増資インサイダー事件で叩かれた2012年当時には、三菱UFJフィナンシャル・グループの傘下入りするとまで囁かれました。

 今週の有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」にも書いたのですが、野村ホールディングスは「りそなホールディングス」を傘下に入れるべきと考えています。チャンスと考えてトライしてみるべきです。