2016年の米大統領選挙が実質スタート

 4月12日に米民主党ヒラリー・クリントン国務長官が2016年大統領選挙への出馬を表明し、早くも実質的な大統領選挙戦がスタートしました。

 今回は8年ぶりに現職が出馬しない大統領選挙なので、民主・共和両党の各候補者は来年1月早々から各州の予備選挙(または党員集会)を戦い、来年7月の全国大会でそれぞれの大統領候補が選出されます。大統領選挙は来年(2016年)11月8日で、第45代となる新大統領の就任式は再来年(2017年)1月20日となります。

 今のところ民主党はこのヒラリー・クリントンがかなり有利なようですが、共和党では(まだ正式に出馬表明をしていない候補者も含めて)ジェブ・ブッシュ・元フロリダ州知事、ランド・ポール上院議員、スコット・ウォーカー・ウイスコンシン州知事、テッド・クルーズ上院議員、マルコ・ルビオ上院議員など「団子状態」となっています。

 現時点で2016年大統領選挙の両党の候補者や、新大統領を予想することは無意味と考えます。

 なぜなら大統領候補者は予備選(あるいは党員集会)のスタートダッシュで、新大統領は大統領選挙前のほんの1~2ヶ月前の米国経済情勢(世界情勢ではありません)で決まるものだからです。

 2008年の大統領選挙でも、現時点と同じ約1年半前にオバマ大統領を予想した人はほとんどいなかったはずです。

 そうはいっても、現時点で「はっきりしていること」もいくつかあります。

 まずここからの米国政治は、すべて大統領選挙が意識されるため、上下院議会で多数を占める野党・共和党がオバマ大統領に歩み寄ることは「絶対に」なく、ますます政治が(内政だけでなく外交も)低迷します。要するにほとんど何も決まりません。

 オバマ大統領は、本年2月に自身3回目の拒否権(カナダ産原油をメキシコ湾岸に送るパイプライン建設承認に対して)を行使しましたが、残る任期に拒否権を「連発」することになりそうです。

 

 その一方でオバマ大統領は、議会の影響を比較的受けにくい外交で「暴走」するはずで、特にキューバ、イラン、中国へすり寄る「迷走外交」は世界のバランスを大きく揺るがせる元凶ともなります。

 その結果、ますますオバマ大統領(というよりも民主党)に対する米国民の不満がたまり、それが相対的に共和党の大統領候補を優位にさせるはずです。

 ここで共和党は2008年の大統領選挙ではジョン・マケイン上院議員、2012年ではミット・ロムニー・元マサチューセッツ州知事(そういえばこの人は雪国まいたけTOBしたベイン・キャピタルの創業者の1人です)と、お世辞にも強いとはいえない大統領候補を選んでしまい、ともにオバマに敗れました。

 つまり今度こそ「強い大統領候補」を選べば勝てるはずです。

 それでは「強い大統領候補」とは?

 現時点で重要なポイントとは、「プロテスタント最大派閥の支持を受けられる」「激戦州であるオハイオ・フロリダで勝てる」「人口急増のヒスパニックに支持される」の3つと考えます。

 プロテスタント最大派閥とはバブテストとメソジストですが、ジェブ・ブッシュとマルコ・ルビオはカトリックで、メソジストであるクリントンに対して有利とはいえません。

 一方でジェブ・ブッシュは元・フロリダ州知事で奥さんがヒスパニック、マルコ・ルビオはキューバ移民の息子でフロリダ州選出の上院議員(ただしキューバとの国交回復には反対しています)と、ともに「フロリダ」と「ヒスパニック」に強みがあります。

 しかし同じ強みを持つジェブ・ブッシュとマルコ・ルビが終盤まで候補者を争うと「共倒れ」になる可能性が強く、やはり現時点でいろいろと考えても無意味のようです。

 じゃあ、やはりヒラリー・クリントンが次期大統領の最有力候補なのか?

 現時点で先頭を走る候補者は、それだけ攻撃される時間が長いため、どこかで蹴躓く(けつまずく)可能性も大きいと考えておくべきです。