マイナス成長だった2015年4~6月期GDP  その2

 昨日付け同題記事の続編です。コメントをいただいているのですが、決して結果論や弱気論だけを展開しているわけではありません。

 リーマンショック以降の世界経済は、FRBなど中央銀行の金融緩和・量的緩和の景気拡大効果を過剰評価してしまい、とくに4兆元も財政出動を行った中国経済の需要拡大効果を過剰評価してしまった結果、世界中で過剰設備・過剰生産・過剰資源開発に陥ってしまいました。

 その結果が趨勢的に続く世界中の長期金利低下と商品価格下落(CRB指数はリーマンショック直後の安値を下回っている)となり、これらは世界経済が金融緩和・量的緩和にもかかわらず趨勢的に減速している明確な証拠となります。

 先日発表された日本の2015年4~6月期GDPがマイナス1.6%(年率換算)だったことも、アベノミクスや日銀量的緩和に効果があったかどうかの議論ではなく、日本経済も世界経済と同じように(それ以上に?)減速しているという明確な事実なのです。

 それでは本日(8月19日)の日経平均が331円安の20222円(終値)となったように、日本の株式市場はここからどんどん下落してしまうのかというと、これも違います。

 昨年10月以降に日銀、ECB、中国人民銀行を含むほとんどの中央銀行が新たな金融緩和・量的緩和のサイクルに突入したことから世界の株式市場の上昇が加速し、基本的に現在も(金融緩和・量的緩和が継続される限り)上昇相場が継続していると考えます。

 中国人民銀行は昨年11月に「初めて」本格的な金融緩和に踏み切り、中国株式(上海総合指数)は昨年10月の安値・2290ポイントから5月12日には5166ポイントまで2.25倍になりました。そこから急落して本日(8月19日)の終値は3794ポイントですが、それでも昨年10月からの上昇率は65.6%と世界最大となります。

 

 日経平均も本日は急落しましたが、それでも昨年10月31日の追加量的緩和直前の安値・14532円(10月17日)からの上昇率は39.1%と世界第2位となります。

 そのあとにECBが本年3月から量的緩和に踏み切ったドイツ、イタリア、フランスのユーロ圏諸国の株式市場が続きます。

 逆に米国では景気が比較的順調に回復していますが(だから利上げが近いとされている)、NY株式は昨年10月16日の安値・16117ドルから昨日(8月18日)の17511ドルまで8.6%上昇しているだけです。またこの間に唯一利上げを繰り返しているブラジルの株式は、当然のように下落しています。

 つまり世界の株式市場は、景気が回復しているかどうかではなく、金融緩和・量的緩和が継続されているかどうかで強弱が決まっており、結果的に景気低迷と株高が同居することになります。その典型が日本経済と日経平均の関係で、量的緩和長期金利を引き下げるので長く続ければ続けるほど投資期待収益率が下がり、結果的に経済を低迷させてしまうものの株価は上昇を続けるからです。

 この状態は世界的にいずれ行き詰まるはずですが、経験的には「まだまだ先の話」と考えます。つまり現在の調整はあくまでも一時的と考えます。

 とくに日経平均については、現在の「異次元」量的緩和は当分の間は継続され、たぶん本年後半にさらなる追加量的緩和に追い込まれると考えるため(日本経済はますます低迷するから)、結果的にかなり株高が続くことになります。

 この辺は2週間前から有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」の「3年ぶりに日本株の基本観を微修正」で詳しく解説していますが、そこでも決して弱気論を展開しているわけではなく、将来的に日経平均の大幅調整に備えるためのポイントを解説しているつもりです。

 日経平均に限らず世界の株式市場はどこかの時点で(長期金利と商品価格に表れている)経済の低迷と株価の関係が正常化すると考えていますが、だいたいこういう関係は(今のように)捻じれるとますます捻じれるもので、少なくとも本年中は大幅調整とはならないと考えます。

 また日銀が量的緩和を今のペースで続けていると、どこかで限界にきます。そうなると国債利回りの急上昇につながるとの懸念もありますが、これもそれほど心配していません。景気低迷と長期金利の低下は矛盾しないからですが、詳しくは来週月曜日に配信する有料メルマガで解説する予定です。

 こういう議論は少ない紙面に押し込むと、どうしても舌足らずになってしまうため、じっくりと解説する必要があるからです。よろしかったら読んでみてください。