宴(うたげ)は終了したのか? その2

 本日(8月25日)の日経平均は引き続き733円安と急落し17806円で終了しましたが、朝方に17747円と本日安値を付けたあと前場終了直前に18835円まで1000円以上も急上昇し、後場にまた1000円以上も下落して本日安値に近い終値となりました。

 日経平均先物は本日の夜間取引に入ると中国人民銀行の追加金融緩和(後述)もあり一時18500円台まで上昇しましたが、本誌もほとんど記憶にない乱高下です。流動性がかなり失われているような気がします。

 昨日(8月24日)のNY市場も負けずに乱高下しており、朝方にいきなり1000ドル以上も急落して15370ドルの安値となり、そこから16400ドル台まで上昇したあと下落して15871ドルで終了していました。

 本日(8月25日)朝方のNY市場は16300ドル台まで上昇していますが、日経平均先物と同じように流動性がかなり失われているなかで超短期売買を繰り返すHFTなどが「自分で自分の首を絞めている」ような気がします。

 実はNYダウだけが昨日付け「同題記事」に書いた、世界の中央銀行が新たな金融緩和・量的緩和のサイクルに突入する直前の昨年10月安値・16117ドルを一時下回ったのですが、FRBは昨年10月に量的緩和(QE3)を打ち切り、利上げを模索していたので「ある意味」当然かもしれません。

 つまりFRBが9月の利上げを取りやめると(取りやめると思いますが)、米国だけでなく新興国を含む世界の株式市場はそれなりに回復するはずです。

 また昨日のDAXも一時786ポイント安の9338まで急落したあと9648で終了しましたが、本日は10000の大台を回復しています。

 要するに世界中の株式市場は「急落している」ことより「乱高下している」ことの方が気になります。あまりうまく説明できませんが、リーマンショック以降の数年間続いた世界の金融緩和・量的緩和による余剰資金と基本的な上昇相場で世界の株式市場には、ファンダメンタルズを重視する実需取引をはるかに上回る「株式市場をテクニカルでしか見ないHFTなどの巨額資金」が入り込んでいるような気がします。

 

 だとすると単なるファンダメンタルズの悪化だけでは説明できない「新しいタイプの下落」になる(もうなっている)可能性もあります。

 そのファンダメンタルズを考えると、中国経済の低迷もFRBの利上げも「急に湧き出てきた悪材料」ではなく、リーマンショック以降の世界の株式市場を支えてきた金融緩和・量的緩和も米国、(外貨流出を食い止める必要のある)ブラジル、(たぶん)英国を除いてまだまだ継続されるはずです。

 ただ本日(8月25日)の上海総合指数は244ポイント安の2964と、3000の大台を割り込んでしまい、7月上旬から次々打ち出した「露骨な株価対策」が全く効いていなかったことになります。

 そこで本日遅く、中国人民銀行が追加金融緩和を発表しました。1年物の貸出・預金の基準金利を0.25%ずつ下げ、預金準備率をすべての銀行を対象にして0.5%引き下げるようです。

 預金準備率の引き下げはなぜか9月6日からですが(17.5~18.0%になるはずです)、日本と違ってまだまだ資金需要が旺盛な中国では、市場に直接資金が供給される預金準備率の引き下げは「まだまだ」効果があるはずです。

 昨年の10月31日の日銀追加量的緩和をきっかけに世界中ほとんどの中央銀行が新しい金融緩和・量的緩和のサイクルに突入し、世界の株式市場はそこから大きく上昇しました。

 今回は中国人民銀行の追加金融緩和をきっかけに世界がまた新たな金融緩和・量的緩和のサイクルに入るような気がします。その中にはFRBの9月の利上げ見送りも含まれるはずで、世界の株式市場のまた新たな宴(うたげ)が始まるかもしれません。

 もう金融緩和・量的緩和に経済を回復させる効果がほとんどないことは世界中で(除く日銀)認識されていますが、ここで株式市場を沈没させるわけにはいかないからです。