今週の記事で書き足りなかったこと

 9月8日付け「ドナルド・トランプとは何者なのか?」の続き

 ヒラリー・クリントン国務長官時代に、公務に私用メールを使っていたと攻撃されていますが、これは自分のメールをオバマ大統領に見られたくなかったからだと囁かれています。本日(9月10日)付け日経新聞・朝刊の「真相深層」にも出ています。

 だとすると私用メールを使用していたことがどこからリークされたのかも想像がつき、ヒラリー・クリントンの大統領候補としての命運はもう尽きていると考えられます。いくらレームダック化していても現職大統領の権限は強大で、いかようにも新たな疑惑が出てくるからです。どんな疑惑でも簡単に作れて簡単にマスコミに流布されるという意味です。

 だとすると民主党の大統領候補は、オバマ大統領の監視役であるバイデン副大統領となり(本人は望んでいないようですが、何しろ民主党に有力候補がいない)、まだ誰になるかもわからない共和党の大統領候補に惨敗となりそうです。しかしもしその共和党候補がトランプになってしまったら?

 俄然おもしろくなってきた米国の大統領選挙です。


 9月9日付け「ようやく決算発表した東芝は事件化しないのか?」で書き忘れたこと

 東芝は刑事事件化せず、これで完全に終結するはずです。現在執筆中の(大変に遅れていますが)オリンパス事件を取り上げた単行本(題名未定)にも、刑事事件となったオリンパス東芝問題(事件ではないので問題と書きます)の比較をたっぷり追加しています。

 そこで東芝問題の発端となった西田派と佐々木派による「タレこみ合戦」が、証券監視委員会ではなくFTなど海外メディアに情報提供されていたらどうなったでしょう?

 オリンパス事件の発端は、ウッドフォードが内部資料を提供した(犯罪です)FTに掲載された大変に不正確な記事でした。いくら不正確でもFTなど海外メディアが記事にしてしまったため、日本中が大騒ぎとなり刑事事件となりました。

 じゃあもし東芝問題における「タレこみ合戦」のどちらかが(あるいは両方が)海外メディアに情報提供していたら、きっと全く違った結果になっていたはずです。それこそ「当局も引っ込みがつかなくなって」刑事事件になっていたような気がします。

 「問題を大きくしたかったら海外メディアにタレこむべし」と覚えておきましょう。


 9月10日付け「世界の株式市場の2大元凶とは?」の続き

 FRBが利上げするかどうかを決める9月のFOMC(9月16日~17日)まで一週間を切りました。現状ではブラジルの格下げ(BB+と投資適格から外れてしまいました)もあり、見送る可能性の方が大きいと感じますが、その場合は12月までFRBの優柔不断が続いて世界市場にとって「9月に利上げしてしまうよりもっと悪い」結果になってしまいます。

 9月にさっさと利上げしてしまうか、さもなければ年内は利上げしないと宣言してしまうべきです。本誌はもちろん「少なくとも年内は絶対に利上げしてはならない」と考えていますが、そうはならないのでしょうね。

 ところでリーマンショックのあった2008年秋以降の世界的な金融緩和・量的緩和の功罪は、実は全く総括できていません。世界の中央銀行から未曾有に供給された巨額資金の大半が市場に出て行かず中央銀行に滞留したままで、その巨額資金が「どう動くか」が誰にもわからないからです。

 FRBが利上げすれば、その巨額資金のうちドルのコストだけが上昇することになります。また長期金利は経済状況を反映するため少なくとも上昇することはなく、利鞘だけが縮小してしまうことにもなります。この利鞘こそ経済活動のインセンティブであるはずなので、経済がますます停滞してしまうような気もします。

 まだ世界的な金融緩和・量的緩和の功罪が誰にもわからないうちに、とりあえずFRBが「次のステップ」に入ってしまうことになります。しかもドルは世界の基軸通貨なので、その影響は世界に及びます。

 要するにFRBが利上げしたあとの世界経済・金融市場のイメージがなかなか湧いてこないのです。