早く何とかしないと日産自動車が食い取られてしまう!

 フランス政府が、日産自動車ルノーと合併させようと画策しているとロイターが報じています。

 本誌では何度も「日産自動車ルノーに食い尽くされて残骸だけになる」と懸念しており、昨年あたりからは日産自動車ルノーTOBで取得する形で「一気に取り戻してしまおう」と主張していました。

 ルノー筆頭株主はもともとフランス政府ですが、本年4月の株主総会では直前に持ち株比率を15%から19.7%まで引き上げてルノー取締役会が提案した「2年以上保有する株主の議決権を2倍にする法律を不適用にする議案」を否決してしまいました。

 これで来年の株主総会からルノーに対するフランス政府の議決権は(買い増し分を売却していなければ)28%近くとなり、ルノー経営に対する影響力は各段に大きくなります。

 そしてルノー日産自動車の議決権43.3%を保有して完全に支配下に入れているため、日産自動車の経営に対してもフランス政府の影響力が大きくなってしまうことになります。

 もともとフランス経済は大変に低迷しており、ルノーもずっと業績が振るわず日産自動車の持ち分利益と有形無形の支援がなければとっくに消滅していたはずです。またルノーフォルクスワーゲン不正の影響を直接・間接に受けることになり(同じような不正をしていないとは絶対に言い切れません)、不思議で厚かましい国・フランスのエリート官僚がここで日産自動車を「丸ごと」手に入れようと考えたとしても不思議ではありません。

 2015年度上半期(4~9月期)で史上最高となる3256億円の純利益を稼いだ日産自動車が日本から消えてしまうわけではありませんが、単なるルノーの日本部門となり、経営は日本の事情にお構いなくルノー本社主導ですべて決定されてしまうことになります。

 ここでルノー日産自動車のCEOを兼ねるカルロス・ゴーン氏はレバノン系のブラジル人で、露骨な階層社会であるフランスでは決して特権階級ではなく、かねてからルノーの業績も不振であったためそろそろ用済みになるとは感じていました。

 ゴーン氏自身はルノー日産自動車の合併に反対のようですが、ここで日産自動車ルノーに食い尽くされて残骸だけになる前に、フランス政府がルノーを通じて日産自動車を「丸ごと」手に入れようと出てきたわけです。

 決して大げさに言っているわけではなく、日産自動車の有形無形の財産はすべてフランス政府とルノーの「いろいろな補填」に使われてしまうことになります。このような事態はオール日本で阻止しなければなりませんが、戦うべき敵はルノーでもカルロス・ゴーンでもなく、フランス政府のエリート官僚であるとハッキリと認識しておくべきです。

 そうはいっても日産自動車ルノーと合併するためには、まず日産自動車の取締役会が「合併を承認」しなければなりません。大変に不思議なことに、いつも日産自動車の取締役会は日本人5名・外国人(ゴーン氏やフランス人)4名で構成されています。

 この取締役会でいつも「ルノーに食い尽くされる」機関決定をしていたことになり、要するに日産自動車の日本人取締役はいつもゴーン氏やフランス人の歓心を買うことしか考えておらず、ルノーとの合併も「喜々として」承認してしまうはずです。

 

 次に日産自動車株主総会で合併承認することが必要で、これは出席者の3分の2以上が賛成する特別決議が必要なはずです。ところがルノーが43.3%を保有していることに加え、今までの株主総会でも一般株主は「日産自動車を食い尽くしてしまう経営陣」を何の疑問もなく圧倒的多数で承認していました。

 つまり日産自動車の取締役会も株主総会も「歯止め」にはなりそうもありません。それでは実際に合併とはどういう方法によるのでしょう?

 要するに日産自動車の(ルノーを除く)株主に「対価として何を渡すのか?」ですが、普通は現金と株式(この場合はもちろんルノー株式)の組み合わせがオファーされます。

 ところがルノーは大変に手元不如意なので、ほとんどがルノー株式となるはずです。まあルノーの収益の大半は取り込まれた日産自動車の収益となるため、現在のルノーより収益が好転するはずですが、日本人投資家にとってルノー株を保有して応援する必要は全くありません。

 早急に真剣に考えないと手遅れになってしまうので、来週月曜日(11月9日)の有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」で緊急特集を組むつもりです。ぜひご一緒に真剣に考えていただきたいテーマだと思います。