China 2049  秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」

 表題は、本日(1月11日)配信した有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」の、お勧め「書籍」コーナーでご紹介した書籍名です。

 昨年11月10日付け「民間防衛 あらゆる危機から身を守る」、同11月24日付け「毛沢東 日本軍と共謀した男」に続いて有料メルマガからのご紹介ですが、どうしてもこの時期にもっとたくさんの皆様にご紹介したいと思い大幅に加筆して取り上げました。有料メルマガ読者の皆様にはどうかご了承いただきたいと存じます。

 その内容とは、要するに中国指導部は中華人民共和国建国100年目の2049年までに、米国を押しのけてグローバル超大国になろうとする「世界覇権100年戦略」を現在も秘密裏に遂行しているという内容です。

 こう書くと、ありきたりの陰謀書か嫌中書のように聞こえますが、著者のマイケル・ピルズベリー氏とは1970年代のニクソン政権から一貫し米国防総省で中国関連の要職を歴任し、2004年からはハドソン研究所・中国戦略センター所長を務める「表からも裏からも中国を最も知り尽くした人物」です。もちろん中国語にも堪能です。

 その著者が出した結論とは、1972年にニクソンが訪中して以来、米国が信じてきた「対中関与は協力をもたらす」「中国は民主主義へと向かっている」「中国は米国のようになりたいと思っている」などはすべて錯誤であり、「中国指導部は米国の主導と関与の誘いに従うフリをしながら、秘密裏に米国を押しのけて世界の覇権を獲得する100年マラソンを今も推進している」という事実だけだったということです。

 つまり米国は1972年以来、中国には特別の配慮をもって接してきたものの(同盟国の日本よりもはるかに重要視してきたものの)、中国(中華人民共和国)は建国以来一貫して米国を押しのけて世界制覇を狙う100年マラソンの真っ最中だったということです。

  本書は昨年夏に邦訳版が出版されてすぐ入手していたのですが、そのまま読まずに放置していました。ところが年初からの(正確には昨年末からの)人民元の下落をきっかけに世界の株式市場が大混乱に陥ったのを見て、ふと「ある疑念」が出てきて大急ぎで読んでみました。

 その「ある疑念」とは、中国の経済低迷による世界的な景気減速や原油など資源価格の急落、それに人民元下落と上海株式急落による世界的な株価下落とは、果たして中国が経済政策や株価対策や為替政策を「間違った」結果なのか?ということで、ひょっとしたらこれも中国の世界制覇を狙う100年マラソンの(今年は67年目で3分の2が経過していることになります)重要ステップの一環ではないかということです。

 つまり中国共産党一党独裁の中国は、その対極にある資本主義を倒すために、今まで資本主義を取り入れるフリをしていただけではないのか?という「疑念」です。

 もちろん本誌も本気でそこまで考えているわけではありませんが、ちょっと頭に入れてこれからの中国の「間違った」経済政策や株価対策や為替政策を見ていくことにします。

 歴史的には、今は消滅したソビエトが米国に送り込んでいたスパイのハリー・デクスター・ホワイトが実質的に作り上げたブレトンウッズ体制が、第二次世界大戦直後に世界の富を独占していた米国の金準備を見事に大幅に毀損させた「前例」もあります。もっとも皮肉なことに、その後は紙切れのドルが金の地位を奪ってしまいました。

 また本書には、中国はその野望への主要手段として「現在の日本は戦前の軍国主義復活を真剣に意図する危険な存在である」ため「日本悪魔化工作」を遂行しているとも書かれていますが、確かに腑に落ちるところです。

 まだ現職のピルズベリー氏が、本書に本心や事実をすべて書いているとは思えませんが、中国について視点を変えて考えるためには絶好の参考書となります。

 かなりの大書なので読み切るにはかなりのエネルギーが必要ですが(本誌もじっくりと全部読んだわけではありません)、本年冒頭に読む価値のある書籍であることは間違いありません。