「崖っぷち」のサハダイヤモンド

 本誌によく登場するサハダイヤモンドですが、以前にも書いたように本誌にとっても「思い入れ」の多い会社です。

 また本誌はこういう会社を取り上げる場合、インサイダー情報を書かないように、風説の流布に該当しないように、またいろいろな思惑をもって暗躍している諸氏の邪魔もあまりしないように留意しているつもりです。

 いろいろな思惑をもって暗躍する諸氏とは、サハダイヤモンドの一部の取締役、一部の株主、一部の法律事務所、サハダイヤモンドに1円も入れたことがない自称投資家、自称ファイナンスの専門家、その他たくさんのブローカーのことです。

 表題に「崖っぷち」と書いたのも、何か特別の情報をもとにサハダイヤモンドの状況を書いたわけではなく、いろいろな思惑をもって暗躍している諸氏の顔ぶれや行動を見ていると、過去に株式市場から消えていった数多くの上場企業の断末魔が連想され(重なっている諸氏も結構います)、つい「崖っぷち」だなあと考えてしまうからです。

 さてサハダイヤモンドは2015年6月26日に「業績」に係る猶予期間入りしており、2016年3月期に営業利益及び営業キャッシュフローが負の場合は、上場廃止となります(IRのまま)。しかし2月15日に発表された2015年4~12月決算は、営業利益が2億1800万円も負となったままです。

 またサハダイヤモンドは本年1月4日に「株価」基準に係る猶予期間入りしており、本年3月までに月末株価及び月間終値平均の両方が10円以上とならない限り、やはり上場廃止となります(IRのまま)。

 つまり30000人以上も株主のいるサハダイヤモンドは、まさに上場廃止のリスクがあることになり、ここは何をおいても上場が維持できるように全社一丸となって取り組まなければならないところ、一部の取締役までが「そんなことなど全くお構いなしに」いろいろな思惑をもって暗躍している諸氏とともに、勝手気ままに動き回っているようです。

 だから「崖っぷち」のサハダイヤモンドと感じるわけです。

 そんないろいろな諸氏の思惑が積み重なったようで、サハダイヤモンドは2月19日に「第三者割当により発行される株式および新株予約権の募集に関するお知らせ」なるIRを発表しました。

 しかも上場廃止のリスクが残る(少なくとも上場廃止が回避できたかどうかが確認できない)本年3月中に払い込む第三者割当増資が2.75億円(払い込み価格11円)と、新株予約権が6.35億円分(行使価格が11円)となっています。

 新株予約権はともかく、2.75億円の第三話割当増資などいったい誰が払い込むのでしょう? 常識では考えられませんが、暗躍しているブローカー諸氏の顔ぶれや過去のやり方を見ると「だいたい何をやろうとしているか」がわかります。

 だいたい上場廃止の回避には営業利益が必要で、債務超過ではないため第三者割当増資では何ら上場廃止の回避には役に立ちません。これはサハダイヤモンドがとりあえず上場会社である間に、何とか2.75億円を調達しなければならない事情があるからですが、事情があるのはサハダイヤモンドではなくブローカー諸氏の方なのでしょう。

 また新株予約権の引受先には、サハダイヤモンド現社長の姜(ジャン)氏の所有会社であるEurostar HK Holdings Limitedが名を連ねています。しかしIR資料を見て思わず目を疑ったのですが、現在の持ち株比率が0.29%(株数が書かれていませんが96万株)しかありません。

 2015年3月末の持ち株比率は4.45%(1483万株)だったと有価証券報告書に書かれているため、その後どこかのタイミングで1400万株近くを売却していたことになりますが、その間に2度も猶予期間入りしているため売却時期によってはインサイダー取引の疑いも出てきます。

 繰り返しですがサハダイヤモンドは、30000人以上いる株主のために全社一丸となって上場廃止の回避に取り組まなければならないところを、「そんなことなど全くお構いなしに」それぞれの思惑で勝手気ままに動いているだけのようです。

 もちろん本誌はもっと詳しい事情を把握していますが、本日はこの辺までが限界です。

 2015年10月16日付け「サハダイヤモンドの臨時株主総会 その1」、同年12月1日付け「同題 その2」もあわせてお読みいただくと、よりわかりやすくなります。