そもそも流出した「パナマ文書」はどこにあり、誰がアクセスできているのか? その1  

 最近さっぱり新たな情報がでてこない「パナマ文書」ですが、すでに報道されている情報(随分いい加減な情報もあります)をみても、重要なことがほとんど明らかにされていません。

 その「最大の疑問」が表題です。要するに「誰がどの人物の秘密を暴きダメージを与えることができるのか?」、逆に「誰がどの名前を表に出ないようにできるのか?」が全くわからないままです。これは大変に気持ちの悪い状態です。

 「パナマ文書」といっても2.6テラバイト(紙に印刷するとトラック1000台分!)もある膨大なデータですが、最初にこれを受けとったとされる南ドイツ新聞は情報元を秘匿するため、すでに元データを廃棄しているようです。

 その元データ(コピー?)を受け取った国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は、世界中の会員ジャーナリスト(当初は400名と言われていましたが実際は190名ほどのようです)と手分けして分析しているとされています。

 ICIJの日本人会員ジャーナリストは共同通信の澤康臣記者と朝日新聞の奥山俊宏編集委員ですが、お話では「日本人っぽい」個人名や法人名を抜き出して、実在する政治家・経済人あるいはその親族かどうかを照合されているようです。約400件の「日本人っぽい」名前が見つかっているそうです。

 日本以外の各国でも同じように、その国の会員ジャーナリストが自国に関連する個人名や法人名を探し出そうとしているはずです。しかし中国やロシアに会員ジャーナリストがいるとも思えないので、最初に飛び出した習近平プーチン周辺の情報は、いったい誰が探し出したのでしょう?

 また当初の報道では、5月上旬には(もうすぐです)全情報が公開されると言われていたのですが、どうも「パナマ文書」にある21万余のオフショアカンパニーの法人名・住所・役員名・株主名などの基本情報がICIJのウエブサイトに掲載されるだけのようです。

 だとすれば、ほとんど意味がありません。

 そもそもオフショアカンパニーとは、法人名は適当につけた名前に過ぎず、すでにABEとかNHKとかDENTSUなど紛らわしい名前が出ているようですが、仮に日本人だったとしてもわざわざ本名を法人名などに使うことはないはずです。

 住所は、例えばカリブ海のBVI(英領バージン諸島)などの貸しビルの1室や私書箱1つに何百というオフショアカンパニーが「同居」しているはずで、そこに行っても何もありません。以前に日本の捜査当局や報道機関がわざわざBVIを訪れたことがあったそうですが、海水浴が本当の目的だったのでしょうね。

 そしてオフショアカンパニーでは、役員や株主も名目(Nominee)になっており、本当の所有者(Beneficial Owner)の名前で登録されていることはまずありません。そもそもそれがオフショアンカンパニーを保有するメリットだからです。日本人でほとんど唯一実名がでているセコム創業者は、ここに律儀に実名を使っていたのかもしれません。

 じゃあ本当の所有者(つまりオフショアカンパニーを使って節税したり、時には犯罪ビジネスに手を染めている張本人)の名前はどこにあるのかというと、まさにモサック・フォンセカのようなオフショア法律事務所となります。

 「パナマ文書」とは、まさにそのモサック・フォンセカから流失した大量のデータであるため、そのオフショアカンパニーの本当の所有者実名や(パスポートのコピーを添付しているはずです)、そのオフショアカンパニーを使ってどういうビジネスをしていたのか(契約書や送金指示書なども残されているはずだから)が、ほぼ正確にわかります。

 契約書のサインなどはNomineeでも、銀行の送金指示書はさすがに所有者やその関係者になっていることが多いはずです。

 要するにこういう「最も重要な情報」が束になって流出しているはずですが、それが一向に公表される気配がありません。あくまでも本誌の推測ですが、澤氏や奥山氏ら会員ジャーナリストは、日本人に関するこういう「最も重要な情報」にアクセスできていないような気がします。

 繰り返しですが、世界中のこういう「最も重要な情報」に誰がアクセスできて、誰がどの名前と活動内容を暴露し、誰がどの名前を公表しないと決められるのか?が、全くわからないままです。

 しかしこういう「最も重要な情報」を含む「パナマ文書」の元データが、世界にもう1つだけあるはずです。

 どこでしょう?

 続きます。