「ポケモンGO」開発者のジョン・ハンケとは何者か?

 7月6日に米国やオーストラリアで配信が始まったスマートフォン・ゲーム「ポケモンGO」は、7月22日から日本でも配信が始まり、本日(7月25日)には全世界のダウンロード数が5000万件を突破したようです。

 「ポケモンGO」といっても米国ベンチャーのナイアンティック・ラボ(Niantic Labs)が開発・配信・運営を行い、グーグルが配信インフレと地図情報サービスを提供する完全に米国発のゲームです。

 もちろんポケモンは日本発のゲーム・キャラクターで、任天堂が32%を出資する「ポケモン」がライセンス供与しています。

 配信開始以来、株価が2倍以上となった任天堂に入る収益はライセンス収入を受け取る「ポケモン」の持ち分利益だけです。また任天堂も22日に「発表済みの今期(2017年3月期)業績予想に織り込み済み」とIRしたため、本日はストップ安となりました。

 そもそも日本における携帯ゲーム、スマートフォン・ゲームは、どんどん高額アイテムを購入しなければ勝てない仕組みで、一部ユーザーにどんどん高額課金することにより高収益を上げる「狩猟型」のビジネスモデルです。

 「ポケモンGO」とは、室内に1人で籠ってのめり込むスタイルではなく、どんどん野外に出て歩きながら交流もできるスタイルで、少なくとも健康的です。そして「ポケモンGO」でもアイテムを販売していますが、必ずしもお金をかけなければ勝てないというモデルではなさそうです。

 ところでナイアンティック・ラボとは、グーグルの社内ベンチャーが2015年10月に独立したものですが、もとはといえばCEOのジョン・ハンケ(John Hanke)が2001年に設立したKeyhole社を、グーグルが2004年に買収していたものです。

 ジョン・ハンケは「グーグルアース」と「グーグルマップ」の生みの親の1人としても知られています。現在49歳で、こういう業界では大変な「高齢者」です。

 ところがジョン・ハンケが設立したKeyhole社の設立資金のほとんどは、米国家地球空間情報局(NGA)とCIAが出資したものだったようです。

 米国の国家機関がベンチャー企業に資金を提供することは珍しくありませんが、どうしても国家機関に「協力」していたというイメージがついて回ります。

 そのKeyhole社がグーグルを経てナイアンティックとなり「ポケモンGO」を世界展開するわけですが、世界中の(すでに5000万人いる)ユーザーが、世界中の街並み・建物・公園・各種施設などの映像をナイアンティックに(正確にはグーグルに)提供していることになります。

 グーグルでもフェイスブックでもツイッターでも、顧客が意識せずに提供している映像情報などを国家機関に提供していることは、ロシアに期限付きで滞在しているエドワード・スノーデンが明らかにしています。

 簡単に言えば米国の国家機関が詳細な構造を知りたい施設などに希少キャラクターを置けば、ユーザーが意識せずに(キャラクターを捕獲するときに映像をとるから)貴重な映像情報を提供してくれることになります。

 これは本誌が「勝手に」危惧しているわけではなく、プーチン大統領が同じ理由でロシア国内の「ポケモンGO」の使用を禁止してしまいました。ただモスクワではすでに密かに広まっているようです。

 またもともと中国では使用できるはずがありませんが、習近平国家主席も軍事施設などの重要情報が漏えいすると懸念を示しています。

 本当のところがどうなのかはわかりませんが、「ポケモンGO」がもっと利用されるようになればなるほど、こういった議論が出てくると感じます。