これからのドル円相場と日経平均は「安定ゾーン」

 6月30日付け「現在のドル円相場が安定ゾーン」と7月5日付け「現在の日経平均も安定ゾーン?」の続きですが、主張したいポイントはほとんど変わっていません。

 これだけ円相場も日経平均も乱高下している中で、何で「安定ゾーン」なのだ?と思われるかもしれませんが、以下の理由からこれからしばらくは「安定ゾーン」と考えます。

 民主党政権と白川日銀時代は「行き過ぎた円高・株安」の時代で、円相場は2011年10月31日に1ドル=75.32円の史上最高値、日経平均は2009年3月10日に7054円(終値、以下同じ)の安値となりました。

 2012年12月に第2次安倍政権が発足し、その直前から積極的な金融緩和が期待されて急激な円安・株高となっていましたが、2013年4月4日には就任直後の黒田総裁による「異次元」量的緩和が打ち出されてさらなる円安・株高となり「行き過ぎた円高・株安」は完全に修正されました。

 ここで2014年1~8月に限ると、円相場は1ドル100.74~105.45円、日経平均は13885~16164円と比較的狭いゾーンで推移していました。これは「行き過ぎた円高・株安」が修正されて次の「行き過ぎた円安・株高」に入るまでの間の「安定ゾーン」だったと考えます。

 その「行き過ぎた円安・株高」とは、2014年10月31日に突然発表された日銀の追加量的緩和とGPIFの資産構成比率の大幅修正で始まった(実際はフライングしていた)官民機関投資家による「狂ったような海外資産と日本株買い」の時代で、円相場は2015年6月5日に125.86円、日経平均は6月24日に20868円までありました。

 そこから2度にわたる中国ショック(2015年8~9月と2016年1~2月)、原油など資源価格全般の急落、2016年1月29日の明らかな政策ミスである日銀のマイナス金利導入、さらには6月23日の英国EU離脱などで完全に円安・株高が壊れて現在に至ります。

 つまり現在の円相場と日経平均は、「行き過ぎた円高・株安」が修正されて「行き過ぎた円安・株高」となるまでの間の比較的安定していた2014年1~8月の「安定ゾーン」に戻っていると考えます。この「安定ゾーン」は水準的にも「行き過ぎた円高・株安」と「行き過ぎた円安・株高」のほぼ中間ゾーンでした。

 円相場や日経平均に限らず、どの相場でも上昇相場の次にすぐ下落相場となることもなく、逆に下落相場の次にすぐ上昇相場となることもなく、その間に必ず「安定期間」があるものです。つまり現在がその「安定期間」というわけです。

 現在の円相場の「安定ゾーン」は2014年1~8月の「安定ゾーン」とほぼ同水準と考えてよいはずですが、日経平均はさすがに長期金利(10年国債利回り)が当時の0.5%程度から現在はマイナス0.1%程度にまで低下しているため、当時より高い水準であるはずです。

 その辺を考慮してこれからの予想レンジは冒頭の過去記事を書いた6月末から、円相場を1ドル=100.50~104.50円、日経平均を14900~16900円(当面はその上半分の15900~16900円)と考えており現在も変えていません。

 日銀は7月29日の政策決定会合でETF買入れをそれまでの年間3.3兆円から6兆円に大幅増額させていますが、日銀は決して上値を追わないため下値が悪材料に鈍感になるだけで、予想レンジを上方修正するまでには至らないと考えます。

 ところで本日(8月18日)の円相場は1ドル=99円台だったではないか? 7月21日には1ドル=107.50円まで円安だったではないか? 英国のEU離脱直後の6月24日には14952円だったので、そんな突発事件があったらもっと急落するのではないか? さすがに9月20~21日の政策決定会合で追加緩和があれば(ないと思っていますが)もっと円安・株高になるのではないか?

 ここで重要なことは、この予想レンジはあくまでも目安であり、そこから上下に飛び出しても短期間にレンジ内に収まる典型的な「逆バリ相場」であることです。

 例えば本日の円相場のように円高になったとき、また仮に国際政治で突発的事件がおこり日経平均が急落したとき、逆に日銀が追加緩和に踏み切ってしまい(ならないと思いますが)円安・株高となったときなど、どう動くべきなのでしょう?

 そこは典型的な「逆張り相場」であれば、円高ならドルを買い、株安なら先物でもETFでも買えばよいとなります。そう割り切ってしまうと、あらゆる局面での判断が容易になります。

 英国のEU離脱直後の世界的な株価急落が短時間で回復したように、これは世界的な傾向のようで、たぶん本年いっぱいくらいは続くような気がしています。

 その先は? 変動の時代に戻ることになりますが、方向はわかりません。その時期の世界の経済・政治・金融情勢によって方向が決まることになり、そこからは「順バリ」で対応するべきとなります。

 相場予想とは、上か下かを予想するだけではありません。