新刊書「野村證券 第2事業法人部」

 表題は、オリンパス事件で部下1名とともに唯一の実刑判決(上告中)となった横尾宣政氏が書き下ろした、明日(2月22日)発売される書籍名です。

 何とか事前に入手できたので一刻も早くご紹介したいと思い、本日の記事となりました。

 当然にオリンパス事件についても紙面が割かれていますが、大部分が当時は本当に勢いのあった野村證券の中でも、とくに上から下までサムライが揃っていた事業法人部の猛烈な仕事ぶりを、多数の実名登場人物とともに書き綴った力作です。

「第2事業法人部」というと、本来の事業法人部に比べて「裏街道」であるようなイメージですが、これは徹底的に競わせる当時の野村證券の方針で事業法人部も2つに分けていただけです。

 昨年ヒットした「住友銀行秘史」と同じ講談社からの出版で、どうも住友銀行野村證券を対比させて相乗効果を狙っているようですが、どう読んでみても爽快感・納得感・感激度が全く違います。

 「住友銀行秘史」はイトマンを通じて反社会勢力に数千億円も吸い上げられながら、それすら社内抗争の材料に利用しようとする役員・幹部の足の引っ張り合いの実況中継でしかありません。いったいいつ仕事をしているのだろうと不思議に思いました。

 

 「野村證券 第2事業法人部」は、まさに上から下まで必死に働いて収益を上げようとする現場の実況中継で、とりわけ最年少でこの現場に放り込まれた著者の破天荒とも言える営業活動が中心ですが、読んでいて全く嫌味に感じません。

 ネタバレになるので内容は具体的には書きませんが、そんな勢いのあった野村證券が1990年代の2度の証券不祥事で「あっという間に」牙を抜かれて長く低迷してしまいます。

 その最初の証券不祥事である損失補填が発覚した「直接のきっかけ」を初めてはっきりと特定しています。本誌も書いたことがなかった「勇気ある解説」ですので、ぜひ注目していただきたいと思います。

 講談社の目論見とは違うと思いますが、改めて「銀行と証券では最初から立ち位置が全く違っている」ことを認識するためにも、「住友銀行秘史」と読み比べるといいかもしれません。

 さて「野村證券 第2事業法人部」では最後の3分の1ほどがオリンパス事件の解説です。

 そういえば本誌のオリンパス新刊本はどうなったのか?と言われると思いますが、一応は完成していますがまだまだ満足できず加筆・修正を繰り返しています。もうほとんど風化しているオリンパス事件なので、克明に調べ上げた真実をすべて盛り込もうと欲張っているため、大変に時間がかかってしまっています。

 この「野村證券 第2事業法人部」に書かれているオリンパス事件は、刑事責任を問われた当事者による「最初の書物」となり、本誌がここまで調べ上げた真実ともほとんど齟齬がありません。

 ただオリンパス事件とは、本誌の新刊本がこれだけ時間がかかっている言い訳ではなく、世間の誰もが絶対に想像できないほど複雑怪奇で全貌解明に大変な時間とエネルギーを要するものです。当事者であるはずの横尾氏も、毎日10時間以上、3~4年かけてようやく自分にかけられた容疑のカラクリがわかったようです。

 その横尾氏も限られた紙面の中でおそらく「思いのほんの一端」しか書けていないはずで、しかもその説明は必ずしも第三者が簡単に理解できるものではありません。

 本誌のオリンパス新刊本では、その辺をさらにわかりやすく、もちろん公正に、その意味と本当の恐ろしさがよく伝わるように、そして「これこそ決して表に出ることのなかったオリンパス事件の全貌である」と確信が持てるまで、何度でも加筆・修正を加えて完成させるつもりです。

 最後は本誌のオリンパス新刊本の宣伝になってしまいましたが、もう少しだけお待ちください。