祝2万円! 日経平均

 本日(6月2日)の日経平均は317円高の20177円(終値、以下同じ)となり、久々の2万円台となりました。

 1月17日に「祝2万ドル!NYダウ」を書いていますが、そのすぐ後に「祝2万円!日経平均」を書くはずだったところ、意外に時間がかかってしまいました。そのNYダウは昨日(6月1日)が21144ドルと、S&P500、NASDAQとともに史上最高値を更新しています。

 日経平均の2万円台は2015年12月1日以来、1年半ぶりですが、実はこの時の2万円台(終値)はその1日だけでした。

 2000年以降、日経平均が2万円を上回っていた時期は短く、ITバブル時の高値となった2000年4月12日の20833円を、やっと2015年6月24日の20868円で上回りました。しかしそこから2度の中国ショック(2015年8月と2016年1~2月)で急落となり、2016年2月12日と英国ショックのあった同年6月24日にともに14952円まで下落していました。

 今回の上昇相場はトランプが大統領選に勝利した直後である2016年11月9日の16251円がスタートラインですが、その1か月後に19000円台を回復したものの、そこから2万円台まで約6か月かかったことになります。

 本日の日経新聞朝刊に、2017年5月末における世界の株式時価総額が76兆ドルとなり、月末ベースで史上最高値を更新したと書かれていましたが、この数字はリーマンショック後の2009年2月に30兆ドルまで落ち込んでいました。

 ちなみにその頃の日経平均の安値が2009年3月10日の7054円、NYダウの安値が同月9日の6547ドルでした。そう考えるとその間は、日経平均もNYダウもあまり上昇率に差がないことになります。

 つまり世界の株式時価総額は2009年2月の30兆ドルから46兆ドル(5100兆円)も増えていますが、世界の名目GDPは2009年の60兆ドルから2016年の75兆ドル(推計)まで15兆ドル(1660兆円)しか増えていません。

 本誌は昨年末頃から「今年はバブル元年」と繰り返していますが、こう見てくるとリーマンショック以降は、ずっと世界の株価上昇が実体経済の成長(名目値なのでインフレ込みの伸び)を大きく上回っていたことになります。

 リーマンショックの前後で最大の違いは、世界的な金融緩和・量的緩和がケタ違いであることです。つまり金融緩和・量的緩和が世界経済を拡大する効果は限定的ですが、少なくとも株式市場を上昇させる効果だけはあることになります。

 もちろん資産効果実体経済を拡大させる効果もありますが、資産効果が賃金水準を全体的に押し上げる効果はほとんどなく、結果的に消費活動が大きく反映される実体経済GDP)と株式市場のギャップが拡大することになります。

 その実体経済の伸び悩みを見て金融緩和・量的緩和がさらに継続されるため、実体経済と株式市場のギャップがさらに拡大することになります。それがますます加速するように思えたため「今年はバブル元年」と繰り返しているわけです。

 逆に言えば金融緩和・量的緩和にブレーキが掛かれば、株式市場の「バブル」は止まるはずです。それほど「バブル」が膨らむ前であれば弾けることもありませんが、間違いなく止まります。

 FRBは6月に再度利上げを行うようですが、それでも政策金利であるFF金利(上限)は1.25%と歴史的低水準であることは変わらず、4.5兆ドルに膨らんだままのFRB総資産の縮小開始まではまだ時間がありそうです。したがってすぐにNY株式の上昇が止まることはなさそうですが、これ以上の政策変更(さらなる利上げと縮小開始)は要注意となります。

 翻って日銀は、5月末の総資産が500兆円となったようです。最近は目立たないように資産買入れ額を縮小していますが、いずれにしても「異次元」量的緩和は継続中です。

 その辺を考えれば日経平均にまだ「伸びしろ」がありそうですが、大変に皮肉なことに黒田総裁のいう物価が上昇を始めたときが最も要注意となります。日本経済は「わずかな物価上昇」でも消費活動を直撃して経済を一層低迷させるからですが、それよりも日銀の資産買入れペースをさらに縮小しなければならないからです。

 本誌は以前から日銀の資産買入れは半分くらいにするべきと主張していますが、株式市場だけを考えるなら、これ以上の資産買入れ縮小はダメージとなるかもしれません。